Linux Foundation、「Open Virtualization Alliance」を傘下に

 Linuxを推進する非営利団体のLinux Foundationは10月21日、KVMの認知普及促進を目的とした団体「Open Virtualization Alliance(OVA)」を傘下プロジェクトにすることを発表した。OVAは仮想化技術KVM(Kernel-based Virtual Machine)促進を目的とした業界団体。今後、Linux Founationと協業しながらKVMの啓蒙や開発者コミュニティ向けの取り組みを進めていくという。

 OVAは、KVMの認知普及を図る目的で2011年5月に設立された団体。オープンな仮想化技術としてのKVMの受け入れ、KVM関連のサードパーティソリューションのエコシステム作り、相互運用性やベストプラクティスの奨励などに取り組んでいる。設立メンバーは米BMC Software、米Eucalyptus、米Hewlett-Packard、米IBM、米Intel、米Red Hat、独SUSE。KVMはLinuxカーネルにマージされており、その利用数は1年で50%増加しているという。

 今後、OVAはLinux FoundationのCollaborative Projectとして活動を行うことになる。ガバナンス、資金調達、ミッション、ビジョンはこれまで通りで、Linux Foundation内で独立したプロジェクトとして運営されるという。財務、法、運用の面でLinux Foundationからの支援を受けられるため、目標の達成に向けてフォーカスできるとのこと。

 Linux Foundationは今年4月、米Citrix Systemsの貢献によりXen Projectのホスティングを開始している。KVMとXenという2つのオープンソースの仮想化技術プロジェクトを擁することについてLinux Foundationの執行ディレクター、Jim Zemlin氏は、「競合はコラボレーションと異花受粉を促進し、全員がメリットを得られる」「オープンソースの世界では過去にも、プロジェクト間で競合と協業が技術を進化させ、加速することを経験している」と述べている。

Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/

Open Virtualization Alliance(OVA)
http://www.openvirtualizationalliance.org/