ARM/KVMに対応した「QEMU 1.5」リリース

 QEMU開発チームは5月20日、オープンソースのエミュレータ最新版「QEMU 1.5」をリリースした。ARMのサポートやGPUパススルーといった新機能に加え、性能も改善している。

 QEMUは、コンピュータ環境やCPUをエミュレートできる汎用エミュレータ。KVMやXenなどの仮想化プラットフォームと組み合わせても利用されており、非x86向けのプログラムをx86環境で実行したり、実行環境とは異なるOS向けのプログラムを実行する、といったことが可能になる。動的なバイナリ変換技術を利用した高い性能を特徴とし、また同じCPUアーキテクチャをエミュレーションする際はホストCPUで直接ゲストコードを実行することでネイティブに近い性能を得られるという。ライセンスはGPLv2。

 最新版となるバージョン1.5は、2月に公開されたバージョン1.4から約3か月でのリリースとなる。約130人の開発者が1日平均20のコミットを行ったのことで、開発コミュニティの活動は年間で38%増加していると報告されている。

 新機能として、ARMアーキテクチャでのKVMサポートが加わった。利用にはLinux 3.9とARM Cortex-A15が必要。また、実験的機能としてVFIO(Virtual Function I/O)においてVGAパススルーがサポートされた。Nvidia 8400gs、73001e、NVS290、ATI/AMD Radeon HD5450、HD7850などのグラフィックデバイスで利用できるという。

 iSCSI実装をベースにした仮想SCSIデバイスモデルであるtcm_vhostやVMware PVSCSIデバイスのエミュレーションをサポート、さらにVMwareの準仮想化ネットワークカードのエミュレーションも可能になった。

 ブロックデバイスでは、SSH経由でリモードディスクにアクセスする機能が新たに追加されている。MicrosoftのHyper-V仮想ハードディスクフォーマット「VHDX」の読み取りサポートやUSB 3.0の実験的サポート、x86におけるCPUの動的な追加(hot-add)機能なども加えられている。

 そのほか、Windows上での動作速度の改善やLive Migrationのスループットおよび遅延改善なども行われている。

QEMU
http://www.qemu.org/