Mozilla、Goで実装されたサーバーログ収集・分析ツール「Heka」を公開

 Mozillaは4月30日、サーバーのログデータ収集や分析の簡素化を図るフレームワーク「Heka」のベータ版「Heka v0.2b1」をリリースした。サーバーの稼働状況に関するさまざまなデータの収集・分析などを簡素化・容易化するツールで、初めてのベータ版公開となる。

 HekaはMozillaのサービスチームが開発したツール。メッセージのルーティング、収集、分析などの機能をもつ「hekad」とクライアントライブラリから構成されている。logstasch、statsd、syslogなどさまざまなツールが持つ役割を統合するもので、ログファイルやサーバー診断などのデータを収集し、標準形式に変換した後にルーティングルールセットに基づき評価してルーティングするという流れ。hekadはデータパイプラインの構築に適しているとの理由から米GoogleのGo言語で作成されており、軽量でほとんどのホストで動くという。初期実験では単一のインスタンスで毎秒10ギガビット以上のメッセージデータのやりとりが可能だったと報告している。

 longstashからヒントを得たというプラグイン機構も特徴で、「Input」および「Decoder」、「Filter」、「Output」という4種類のカスタムプラグインをGoで構築できる。Goの代わりにLuaを利用できる「Sandboxed Filters」も用意する。

 用途としては、アプリケーションの性能測定、サーバーの負荷やメモリ消費などマシン指標の測定、データベースやキャッシュサーバーばどのデーモン指標、ログファイルの伝送などを挙げている。

 HekaのバイナリやソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMozilla Public License(MPL) 2.0。PythonやNode.js向けののクライアントライブラリも公開している。なお、開発チームはMozilla内部で部分的に運用環境で利用されているが、まだ新しい技術である点を留意している。

Heka Project
http://heka-docs.readthedocs.org/

Mozilla
http://www.mozilla.com/