メジャーアップデート版となるPHP 5.4.0リリース、コード再利用の仕組み「Trait」など新機能を多数搭載
PHP開発チームは3月1日、「PHP 5.4.0」をリリースした。2009年にリリースされたPHP 5.3以来のメジャーアップデートとなり、組み込みWebサーバーや「Trait」のサポート、新たな構文の追加などさまざまな機能が加わっている。
PHP 5.4.0では、コードの再利用を容易にする「trait(トレイト)」のサポートが加わった。traitはクラスに似た構造を持ち複数のメソッドを含むが、trait自身のインスタンスは作成できず、traitに含まれるメソッドをクラスに取り込む際はextends構文ではなく「use」構文を利用する点が異なる。継承を用いずにクラス外で定義されたメソッドをクラスに取り込むことができ、複雑さを軽減できるという。
「$a = [1, 2, 3, 4];」といった「[]」を用いた配列の短縮構文も追加されたほか、関数の返り値を配列として扱うことも可能となった。「0B001001101」のような二進数フォーマットサポートや「Class::{expr}()」や「(new Foo)->bar()」といった構文のサポートも追加されている。
また、CLIモードでは開発用のWebサーバーが組み込まれた。phpコマンドを「-S」オプション付きで起動するだけで利用できる。
いっぽう、下位互換性のない変更点もある。セーフモードの廃止やマジッククォートの削除、呼び出し時の参照渡しのサポート廃止などだ。
なお、PHP 5.4系はWindows XPおよびWindows Server 2003をサポートする最終バージョンとなり、PHP 5.5以降ではこれらの環境に向けたバイナリは提供しない予定とのこと。
公式サイトでは、5.3からのマイグレーションガイドも公開されている。
The PHP Group
http://www.php.net/
PHP 5.4.0 Release Announcement
http://php.net/releases/5_4_0.php