AwkのGNU実装、「Gawk 4.0」が登場
The GNU ProjectのAwkフリーソフトウェア実装「Gawk」開発チームは6月30日、最新版「GNU Awk 4.0(Gawk 4.0)」を公開した。開発に約2年を費やしたというメジャーアップデートとなる。
Awkはテキストファイルの処理に適したスクリプト言語。GawkはAwkのGNU実装で、GPL v3で公開されている。
Gawk 4.0は、バージョン3.1.8以来のメジャーリリース版となる。多数の変更が加えられており、旧バージョンとの互換性が損なわれる変更もあるという。たとえばsubおよびgsubコマンドの挙動はデフォルトでPOSIX 2008準拠となり、また正規表現における文字クラス指定子の挙動はすべてのロケールで統一されるようになった。これにより、たとえば「[a-z]」という正規表現が特定ロケールでは大文字アルファベットにマッチする、という挙動がなくなるという。そのほか、POSIXモードでは文字列の比較にロケールに応じた文字列比較を行う「strcoll」および「wcscoll」を利用するように変更されている。
そのほかの変更点や新機能としては、まず新オプションである「–sandbox」オプションが挙げられる。これはシステムへのアクセスを最小限にした状態でコードを実行するオプションとのこと。そのほか、switch/codeがデフォルトで有効となり、indirect関数の呼び出しも可能となった。新コマンド「BEGINFILE」および「ENDFILE」や新変数「FPAT」も導入されている。
このほか、IPv6サポートなど多数の機能が加わった。なお、Atari、Amiga、BeOS、Crayなどサポート対象外となる旧システム向けのコードは削除されている。
The GNU Project
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