「TOMOYO」や「NILFS2」が統合されたLinuxカーネル2.6.30、リリース
Linus Torvalds氏は6月10日(米国時間)、Linuxカーネル2.6.30をリリースした。ログ構造化ファイルシステム「NILFS」などファイルシステムのサポートが加わるなど、データストレージにフォーカスして機能が強化されている。
2009年3月にリリースした2.6.29以来の最新版となる。前回、最大の特徴だったマスコットは、一時的採用されたタスマニアンデビル「Tuz」から従来のペンギン「Tux」に戻っている。
ファイルシステムでは、NTTが開発したログ構造化ファイルシステムNILF version2(NILFS2)を統合した。NILFS2は、自動連続スナップショット機能、クラッシュ後の高速な復旧、64ビットデータ構造などを特徴とし、システムの信頼性などのメリットをもたらす。
そのほかファイルシステムでは、オブジェクトベースのストレージ向けに設計された「EXOFS」、ネットワーク分散ファイルシステム「POHMELFS(Parallel Optimized Host Message Exchange Layered File System)」、キャッシュファイルシステム「FS-Cache」などに対応、インターネット技術特別調査委員会(IETF)が策定する「NFS(Network File System) 4.1」にも早期対応した。「ext4」では、データセキュリティ改善が図られている。
これ以外にも、「RDS(Reliable Datagram Sockets)」プロトコルのサポート、「DST(Distributed network Storage)」、preadv()とpwritev()のシステム・コール、圧縮技術「LZMA」「BZIP2」、NTTデータが開発したセキュリティ強化機能「TOMOYO Linux」などが特徴となる。
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