ソーシャルネットワーキングのオンライン生活を快適化する3つのプラグイン

 ソーシャルネットワークにおける交友関係の管理と言っても、限られた数のコンタクトリストを整理するだけなら負担はそれほど大きくないはずだが、Flickr、Digg、Twitterといった様々なオンラインアプリケーションやサービスを掛け持ちし、複数のインスタントメッセージ用プラットフォームを併用しているというユーザの場合はどうだろう? あるいはネットワークライフの成果として形成されたコンタクトリストの組み合わせは、俳優ケヴィン・ベーコンが幅広いジャンルへの映画出演にて培った広大な人脈相関図並になっているかもしれず、そうした複雑な人間関係を整理するのは頭痛の種となるはずだ。本稿で紹介するのは、この種のネットワークライフ管理に役立つ3つのWebブラウザ用プラグインである。

 ソーシャルネットワーク系のサービスやアプリケーションが人気を博している理由の1つは、ユーザが独自のコンテンツを投稿できるためだが、問題はオンラインサービスが異なれば、操作用のインタフェースも課される制限事項も異なってくることだ。こうした複数のサービスに向けてコンテンツを投稿するユーザにとって役立つのが、FirefoxにてFTPライクなアップロードを可能にする FireUploader というプラグインである。

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FireUploader

 FireUploaderの特長は、多数のオンラインアプリケーションに対応した汎用インタフェースを装備していることだ。現行バージョンでのファイルアップロードは、YouTube、Flickr、Picasa、Facebook、Google Docs、Box.net、Slideshare、Webshots、Omnidrive、Snaphappiなどのサービスに対して実行でき、これらの対応サイトにアクセスすると、同プラグインが当該Webサービスにて機能する旨を告げるポップアップがページ右下に表示される。実際にFireUploaderをインストールしたFirefoxを用いてToolsメニューから同プラグインにアクセスすると2つのペインに分かれたタブが表示されるが、その画面構成を見てみると、左側にはデスクトップ側のファイル群、右側にはWebサービス側のファイル群という伝統的なFTP風の配置となっていることに気づくだろう。つまりFireUploaderを使えば、右から左へのファイルドラッグでサイトへのアップロード、その逆方向でファイルのダウンロードという操作が行えるのだ。なおFireUploaderでアクセスする個々のWebサービスについては、それぞれのアカウント情報を個別に入力しなくてはならない。

 FireUploaderプラグインを介して写真をアップロードする場合、Flickr、Picasa、YouTubeなどの各サイトで求められる、タイトル、説明文、タグといった入力項目が提示される。またこの種のコンテンツは、フォルダやアルバム単位で整理したり、プライベート指定を施したい場合もあるだろうが、そうした操作もすべて同プラグインのインタフェース上で実行できるのだ。

 私がこのプラグインを使用していて気づいた唯一の不備は、各Webサービスのバックエンド側での変更に起因して、所定の機能を果たせなくなる現象が稀に発生することである。トラブルの性質上この問題の根絶は難しいと思うが、それでも複数のサービスに多数のファイルをアップロードするタイプのユーザであれば、FireUploaderを使用し続ける方を選択するのではなかろうか。

各種情報の共有

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Shareaholic

 主として行うのは独自コンテンツのアップロードではなく、情報の共有がメインというユーザもいるだろう。そうした場合に役立つのが、各種のブックマーク共有Webサイトを介したWebページのメール送信やブックマークその他の情報の共有といった作業を簡単化してくれる Shareaholic というFirefox用プラグインだ。デフォルト設定下のShareaholicにてリンクの保存およびブックマークの共有が行えるのは、del.icio.us、Digg、Facebook、Stumble Upon、Twitterといった9つのメジャーなWebサイトだけに制限されているが、その他にも、MySpace、Y! Combinator、Reddit、HealthRanker、Tumblr、Google Bookmarksなど12種類のサイトを有効化させることもできる。

 同プラグインをインストールしたFirefoxでは、アドレスバーの隣に1つのボタンが追加される。そしてこのボタンをクリックすると、サポート対象のサイト群を一覧したプルダウンメニューが引き出され、このメニュー上にはDiggされたページのコメントと投票数および、del.icio.usのブックマーク付けがされたページの保存回数が表示されるようになっているのだ。

 Shareaholicプラグインの欠点は、特定サービス専用に開発されたプラグインの持つ機能までをも網羅している訳ではないという点だ。例えばdel.icio.us専用に公開されているプラグインの場合は保存されたリンク群をWebサイトにアクセス不要で確認する機能を有しているが、Shareaholicでそうした処理を行うことはできない。とは言うものの、この種の特定サービス専用機能はあくまで例外的な存在であり、ブックマーク情報の共有や、複数のサイトをまたいだ特定ページの人気度の確認といったより汎用性の高い作業に関しては、Shareaholicの利用が最も負担の小さい選択肢となるはずだ。

各種作業のサイドバーでの一元化

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Yoono

 最後に紹介するプラグインは、オンライン生活を大幅に快適化してくれるウィジェット駆動型のYoonoというサイドバーだ。このプラグインは3.4MBという大ぶりなサイズをしているが、その見返りとしてFirefoxだけでなくInternet Explorerでも使用可能な作りとなっており、FirefoxにおけるYoonoの表示と非表示は、View→Sidebar→Yoonoにて切り換えられる。問題はYonooを利用して何が行えるかだが、Facebook、MySpace、Twitter、Flickr、GTalk、Yahoo!、AIM、MSNその他各種のネットワークに対するコンタクトや友人の登録はこのプラグインから実行可能となるし、また自分のプレゼンスステータス(online、offline、hidden、do not disturbなど)を設定しておくと、ログイン中のすべてのネットワークとサービスを対象としたステータス変更がすべて自動で処理されるようになる。

 Yonooというプラグインについて私が最も気に入っている点は、各種のネットワークやサービス固有のタスクを1つのサイドバーから実行できるようになることだ。具体的には、Facebookでの友人の1人を選択し、その人物のウォールページやイベントページを表示させたり、当人にアクセスするといった操作が、このツールバーからすべて行えるのである。また任意のネットワークやIMサービスにて作成した友人やコンタクトは“Stars”という特殊なグループに登録できるが、これはいわばプラットフォームやサービスの枠組みを取り払うための機能であり、その利用は頻繁に連絡を取る友人へのアクセスを簡単化してくれるはずだ。

 Yonooプラグインは、友人のプロファイルが変更された場合に、それをアラート表示させる機能も有している。この機能に関しては、自分にとって重要な意味を持つ変更は何かや、その表示法をどうするかを指定することも可能だ。

 Yoonoに装備されているIM機能も私のお気に入りの1つで、この機能を使うとIMで情報交換するコンタクトを受け取り手として、手元のブラウザのメインウィンドウにて表示中のWebページにある、画像、ビデオ、テキストのスニペットを添付送信できるのだ。

 ここまでに紹介したYoonoの機能は、Friendsというウィジェットにて行える操作に触れただけに過ぎない。つまりこのプラグインには、その他にも多数のウィジェットが用意されているのだ。例えば、感謝祭周辺の“ブラック・フライデー”や“サイバー・マンデー”などの買い物シーズンに実力を発揮するユーザであれば、Shoppingというウィジェットに用意された、Amazon.com、Ebay、Shopping.com、Buy.comその他のオンラインストアでのお買い得商品や出品物/入札価格を一覧化する機能を便利だと感じるだろう。その他にも、ユーザのブラウジングスタイルに応じてその類似サイトを提示してくれるDiscoverウィジェット、現在アクセス中のWebサイトと同種のコンテンツを提示してくれるVideoおよびPictureウィジェットなども用意されており、あるいはインターネットラジオの受信、ニュースの閲覧、Yahoo! MailやGmailのメールチェックといった処理に対応したウィジェット群も作成されているのである。

 Yoonoに関して不備を感じた点は特にない。サイズ的には巨大だが、システムリソースを過剰に消費するということもないのだ。実際、本稿で紹介した3つのプラグインすべてをインストールした状態でも、私の環境ではパフォーマンスを悪化させるほどの負荷は生じなかった。

 Firefoxのプラグイン間には互いに相性が悪いコンビネーションも存在するが、FireUploader、Shareaholic、Yoonoという組み合わせはノートラブルで併用できている。各自の利用するソーシャルネットワークやサービスの種類およびその利用目的は人様々だが、本稿で紹介した3つのプラグインについては、多くのユーザが自分のオンラインライフを快適なものにする有益なツールだと感じてくれるのではなかろうか。

Linux.comでは毎週月曜日に、機能拡張、プラグイン、アドオンに関する新着記事を掲載している。自分で使用して便利だと感じたツールがあれば、是非ともその解説記事を投稿して頂きたい。

Linux.com 原文(2008年12月22日)