限られた画面領域を有効活用するためのFirefox機能拡張
最初に解説するのは FullerScreen という機能拡張であり、そのインストール後にF11キーを押すとメニューだけでなくツールバーの類もすべて消去され、真の意味で画面全体にWebページが表示されるようになる。ただしこの機能拡張による全画面表示の状態であっても、画面の上端ないし下端にマウスポインタを移動させることで、フルスクリーン用のナビゲーションバーとステータスバーおよび、該当する場合はタブバーが表示されるようになっている。
こうした全画面表示時でのマウス操作によってどのツールバーを表示可能とするかについては機能拡張のオプションメニューにてユーザ設定できるようになっているのだが、実際にはナビゲーションツールバーしか表示されない。とは言うもののこの程度の不備は、こうした機能拡張の有用性を完全に損なうというものでもないだろう。ナビゲーションツールバーを表示させるのは、全画面表示時に新規のタブやWebページを開いたりWeb検索を行うといった操作を行いやすくするだけのものに過ぎないからだ。
FullerScreen機能拡張をインストールした場合、ステータスバーには“フルスクリーン”アイコンが表示されるようになるが、これをマウスの左ボタンでクリックするとフルスクリーンモードの切り替えができ、右クリックではコンテクストメニューが表示され、そこではオプション設定ダイアログボックスの呼び出しおよび垂直スクロールバーの非表示化が行える。
私がこのFullerScreen機能拡張を使った限りにおいて、バグらしき挙動に何度か遭遇した。その1つ目はナビゲーションやステータスバーの表示/非表示に関するもので、設定上は消えているべき状況においてステータスバーが表示されたままになるという場合があり、2つ目は垂直スクロールバーを非表示化した状態でWebドキュメントを移動すると、何故かドキュメントの先頭にジャンプしてしまうという現象である。
次に解説する Full Fullscreen も先のFullerScreenと同様の機能拡張であり、これもF11キーにて全画面表示の切り替えをするものだが、こちらはフルスクリーンモードに移行してもアクティブなタブバーだけは表示され続けるという点が異なっている。またFull Fullscreenでは、最初からフルスクリーンモードでブラウザを起動させたり、フルスクリーンモード時にはタブバーや垂直スクロールバーを非表示化させるといったオプション指定も行える。なおフルスクリーンモード時にはナビゲーションバーを表示させるというオプションも装備はされてはいるのだが、実際には動作しない。しかしながらこの程度の不備は、機能拡張としての有用性を損なうものでもないだろう。なおフルスクリーンモード時に表示されるコンテクストメニューには、通常モードへの復帰コマンドも追加されるようになる。
Full Fullscreenのフルスクリーンモードにてナビゲーションツールバーを表示させることができなくても、必要な機能の多くはFirefox固有のキーボードショートカットにて操作できるはずである。例えばCtrl-Lのキーコンビネーションではロケーションバー(アドレスボックス)に、Ctrl-Kのキーコンビネーションではインターネット検索ボックスにアクセスできるようになっている。このようにナビゲーション関連で行う一般的な操作はすべてキーボードショートカットでカバーできるはずだ。
またどちらの機能拡張においても、フルスクリーンモード時におけるサイドバー表示(Ctrl-BによるブックマークやCtrl-Hによる履歴の一覧など)は使用可能となっている。
本稿で解説した2つの機能拡張はどちらも本来の目的に則した機能を果たしてくれるのだが、どちらか1つの選択を迫られた場合、私ならば最初からフルスクリーンモードでのブラウザの起動が可能なFull Fullscreenの方を選ぶことになるだろう。それと言うのも、冒頭でも触れたように“猫の額”程度の広さしかないEee PCの画面においては、こうした機能が結構役に立つのだ。
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