ソフトウェア技術者の4割が月200時間超の長時間労働
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の調査によると、エンタープライズ系ソフトウェア技術者の40.1%が、月平均就労時間が200時間を超える「長時間労働者」という。2008年5月22日に発表した「エンタプライズ系ソフトウェア技術者個人の実態調査」によるもので、「開発現場の厳しさ」として、「労働時間」と「収入」がクローズアップされた。
平均就労時間の中央値は月間180時間だが、平均就労時間が200時間を超える長時間労働者は40.1%に達し、「健全な水準とは言いがたい状況」としている。また、平均就労時間で「300時間以上」も3.5%いた。ただし、平均値は169.5時間で他産業と比較しても特別高い水準にはなく、産業界全体で長時間労働化しているわけではないという。
また、年収の中央値は500~600万円で、勤続年数別で全産業平均値を比較すると必ずしも低くはないという。しかし、ベンダー間では、元請け→一次下請け→二次下請けとなるに従って低くなる傾向があった。上と下をみると、「1000万円以上」が9.3%あったが、逆に「300万円未満」も6.8%あった。
プロジェクトでのストレスフルの状況では、要件が定まらないまま進んで、土壇場の変更で、開発が無駄になったり、工数に無理が出るなどのケースが浮かびあがった。オープンソース関連では「オープンソースが入ってきて、バージョン管理でアンバランスが生じるケースがある」「オープンソースに依存している部分が多く、整備はされているが、問題が隠されていたりもしている」などの声があった。
IPA・SECのダイレクトメール受信許可者およびWebアンケート登録モニターを対象に実施したアンケート調査。有効回答数は2168人(男性84.3%、女性15.7%)。【鴨沢 浅葱/Infostand】
「エンタプライズ系ソフトウェア技術者個人の実態調査」報告書
http://sec.ipa.go.jp/reports/20080522.html