wbarで目に楽しいランチャバーを
wbarに含まれているアイコンは、マウスで触れると動き回り、大きくなり、飛び上がる。クリックすれば、対応するプログラムが立ち上がる。視覚効果は言葉で説明するのが難しいので、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
wbarは、標準のメニューバーやアイコンにちょっかいを出さず、それと平和裏に共存できる。KDE、GNOME、Xfceを含むあらゆる環境で動作し、General Public License(GPL)のもとで公開されている。最新バージョンは、9月後半にリリースされた1.3.3である。
wbarのインストールと設定
wbarは、たぶん、各ディストリビューションのツールでインストールできる(筆者はopenSUSEのツールでインストールした)が、ソースからも簡単にインストールできる。最新バージョンを任意のディレクトリにダウンロードし、次のコマンドを入力する。
tar xjf wbar-1.3.3.tbz2.tar.bz cd wbar-1.3.3 make sudo make install
READMEファイルには「make config
を実行すれば個別の設定ができる」とあるが、うまくいかない。以下のようにするとよい。デフォルトでは誰に対しても同じ設定ファイル(/usr/share/wbar/dot.wbar)が使われるので、独自のセットアップを望むときは、このファイルを自分のホームディレクトリにコピーし、.wbarという名前に変える。手作業で編集してもよいが(wbarに付属するREADMEファイルに編集上の指示がある)、グラフィックツールでの設定を選択するなら、 wbarconf という、PythonとGTKで書かれたセットアッププログラムをダウンロードする。インストール自体はとくに問題がない。「tar zxf wbarconf-theVersionYouDownloaded
」として、wbarconf/wbarconf.pyを任意のディレクトリにコピーする。
wbarconf.pyを実行するには、Python(少なくとも2.4)とPyGTK(2.1かそれ以降)をインストールしておくこと。「python wbarconf.py
」を実行すると、バーに含まれるすべてのプログラムが画面に表示される。並べ替えるには、ドラッグ&ドロップするか、UpとDownのコマンドボタンを使う。また、+Addコマンドで新しいコマンド(最初は空っぽ)を追加し、-Removeコマンドで既存のコマンドを削除できる。画面の右上では、バーで使うフォントの種類とサイズと背景画像を選択できる。その下には、バー上のオプションごとにアイコン、タイトル、コマンドを選択する場所がある。すべてを選択してSaveをクリックしておけば、次にwbarを起動したとき、いま設定したオプション群が使用される。
wbarの実行
wbarの欠点は、オプション全部を設定ファイルの中で指定できないことである。ほとんどをコマンドラインから指定しなければならない。「wbar --help
」とすれば、使用可能なすべてのオプションが列挙されるが、とくに助けにはならない。説明が舌足らずで、結局、あれこれ実験してみないと、どのパラメータ値がぴったりかわからない。コマンドラインオプションでは、バーの位置と向き、バーアイコンにテキストラベルを添えるかどうか、アイコンのサイズと表示オプションを指定できる。
ログイン時に自動的にwbarを起動したいときは、KDEなら、下に示す小さなコマンドファイルを編集し、実行可能ファイルに指定(chmod +x yourOwnCommand.sh
)して、ホームディレクトリの.kde/Autostart/に置いておく。その他のデスクトップ環境やウィンドウマネージャでは、それぞれの手順に従ってほしい。
#!/bin/bash wbar -above-desk -p top-right -isize 40 -nanim 5 -bpress
wbarの作者によると、wbarは、デスクトップの用意ができる前に飛び出してくる癖があるらしい。妙な格好の(たとえば、窓飾りのある)バーが出てくるようなら、ファイル中のwbarコマンドの直前に短い待ち時間(たとえば、sleep 5
)を置くとよいかもしれない。
結論
普通人には、デスクトップの見目がうるわしいほど、オペレーティングシステム自体もよく見えるものである。wbarなら、モダンな外見のランチャバーが簡単に、かつ安く(RAMの面でもCPUパワーの面でも)手に入る。
Federico Kerekiはウルグアイ出身のシステムエンジニア。システム開発、コンサルタント業、大学での教育に20年以上の経験がある。