Googleら検索大手3社、違法なネット賭博の広告問題で司法省と和解

 米国Google、Microsoft、Yahoo!の3社が自社の検索サイトで違法な賭博行為を促したとされる問題で、調査を行っていた米国司法省(DOJ)は12月19日、3社が合計3,150万ドルの和解金を支払うことに同意したと発表した。

 この問題は、1997年から今年にかけて、3社が自社検索サイトに違法なインターネット賭博サイトの広告を掲載し、それによって収益を得たというもの。こうした指摘に3社は肯定も否定もしていない。司法省の発表によると、Googleが300万ドル、Microsoftが2,100万ドル、Yahoo!が750万ドルをそれぞれ支払うという。

 今回の和解は、米国ミズーリ州東部地区検事のキャサリン・ハナウェイ(Catherine Hanaway)氏、連邦捜査局(FBI)および米国国税庁が行っていた、違法なインターネット賭博の調査が発端となっている。

 Hanaway氏は2006年1月、インターネット賭博取り締まりの一環として、英国の賭博サイト「BETonSPORTS」の創設者、関係者10名および他の4企業を、違法行為による金もうけ、共謀、詐欺の疑いで告発した。さらにHanaway氏は今年6月にも、BETonSPORTSと他の3企業、12名の関係者を新たに告発している。

 インターネットでのギャンブルは米国では違法行為だ。2006年10月に「インターネット賭博禁止法」が成立し、米国の金融機関によるオンライン賭博の決済処理業務も禁止されている。

 司法省の説明によると、Google、Microsoft、Yahoo!の3社は、違法行為を推奨する広告を掲載したことで、ユーザーを誘導した疑いを持たれている。3社のこうした行為は米国の「幇助禁止法」違反に相当するという。

 Microsoftとの和解内容は、450万ドルの違反金に加え、行方不明および虐待された児童のための国際センター(International Centre for Missing & Exploited Children:ICMEC)に750万ドルの寄付金を支払うというもの。同社は、インターネット賭博が違法行為であることを若者に呼びかける広告キャンペーン向けに900万ドルを拠出することにも同意した。このキャンペーンは2008年初頭に開始され、3年にわたって展開される予定だ。

 Yahoo!も違反金300万ドルを米国政府に支払うことに同意した。同社はさらに、インターネットや電話を通じてのギャンブル行為は違法であり、そうしたギャンブルの運営者および参加者は逮捕、起訴される可能性があることを告知する公共キャンペーンに対し、450万ドル分のオンライン広告スペースを提供する。

 Hanaway氏は声明を通じ、「法を遵守している納税者やギャンブル業界の関係者が違法なインターネット賭博の被害を受けている」として、こうした違法行為に今後も強い姿勢で臨むことを示唆した。

 同氏によると、オフショアの違法賭博企業の経営者などから回収した罰金や追徴金は、ここ数年で4,000万ドルを超えるという。

 Googleは声明の中で、「われわれは違法行為を行ってはいない。だが、違法行為を宣伝する広告の掲載は不適切であるとの忠告を司法省から受けたのは事実だ。当社では、2004年4月から関連広告の掲載を自発的に中止している。こうした広告はAdWordsの中で非常に小さい割合でしかない」と述べ、調査に協力したことを強調している。

 賭博サイト関連の広告掲載については、Yahoo!も数年前から中止している。同社は、「当局から(賭博サイト広告に対する)懸念を表明する連絡が入った後、今回の和解に至るまで数年間協力を惜しまなかった」との声明を発表した。

(Grant Gross/IDG News Service ワシントン支局)

米国司法省(DOJ)
http://www.usdoj.gov/

提供:Computerworld.jp