かなりイケてるSkype for Linuxベータ版
多分、SkypeのようなVoIPアプリケーションをテレビ電話として利用するとき一番苦労するのは、Linuxでサポートされているウェブカメラを見つけることだろう。今年上期に書いた拙稿「Ekigaで始めるテレビ電話」(Ekiga videophone gets you connected)でも触れたが、Creative LabsのUltra NXは問題なく動く。
このベータ版SkypeはUbuntu 7.04、Debian Etch、MEPIS、Xandros、CentOS、Fedora Core 6、Fedora 7、OpenSUSE 10+、Mandrivaの各distro向けにバイナリパッケージで提供されている。Skypeは無料(free-as-in-beer)だが、フリー(free-as-in-speech)ソフトではないので、ソースコードは提供されない。
そのほか、汎用版としてダイナミックライブラリを呼び出すようにビルドされたものと、スタティックライブラリを呼び出すようにビルドされたものがある。上述のUbuntu 7.10デスクトップにはスタティック版を採用したが、細かい設定なしですぐ動いた。ダウンロードページの説明を読むと、Qt 4.2.1、D-Bus 1.0.0、そしてlibasound2 1.0.12が必須とのことである。
ベータ版と最新安定版(v1.4)との唯一明らかな違いは、ビデオ機能が追加されたことである。その他の点でUIに変更はない。
UI画面下端の小さな青いSkypeアイコンをクリックし、メニューからOptionsを選択すると、Sound DevicesとAdvancedの間にVideo Devicesという新しいカテゴリが表示される。ここでビデオ装置のオン/オフ、通話時にビデオ装置を自動で開始するかどうか、ビデオ受信者、さらにビデオの視聴を誰に許可するかを設定できる。Skypeは使用可能なカメラを自動的に検出する。複数のカメラがある場合は、使いたいカメラを選択できる。筆者のUSBウェブカメラは自動的に検出され、Testボタンをクリックすると、自分の画像が通話相手からの画像であるかのようにすぐ表示された。
ベータ版を回線の両端で実行してテストしたところ、ビデオ性能は満足できるものであった。今回は、回線の両方の端点をケーブルモデム経由でインターネットに接続するという構成でテストした。ビデオがややぎくしゃくすることが時折あったが、ピクセレーションは起こらなかった。画質は明るくシャープで、音質も相変わらず良好だった。
通話中、ビデオは標準サイズ、2倍、またはフルスクリーンに設定できる。サイズを大きくすると画質の低下が目に付くので、標準解像度の352×352ピクセルのまま使用した。
しかし、ラップトップのMacBook Proでは搭載されているiSightカメラが残念なことに動かなかった。カメラは認識されるのだが、Testボタンをクリックしてもビデオ画面は黒一色で変化なし。これに関してはUbuntuに関する問題で未解決のバグレポートが1件報告されている。
このベータ版Skypeはかなりイケている。どちらかと言えばフリーソフト好きな私だが、次の出張のときはラップトップと一緒にウェブカメラを持って行くつもりだ。Skypeで自宅とビデオ通話している姿が目に浮かぶ。