Microsoft、企業BIを支援する「PerformancePoint Server」を発表――Excelなどをフル活用して業務データを容易に分析可能

 米国Microsoftは9月19日、企業のBI(ビジネス・インテリジェンス)を支援する統合パフォーマンス管理ソフトウェア「Office PerformancePoint Server 2007」の出荷を開始したと発表した。同製品は、ビジネス業務の監視、分析、計画を、1つのツールを使ってできるようにするものだ。

 同ソフトウェアを利用すれば、ビジネスの戦略および目標を、測定基準や主要なパフォーマンス指標などのかたちで設定することが可能になり、企業のさまざまな部門に属する社員が、ExcelなどOfficeツールを利用して、同ソフトウェアのデータにアクセスし、自分のパフォーマンスと指標を比較参照できるようになる。

performancepoint.jpg
Excelをフル活用できる「Office PerformancePoint Server 2007」

 Microsoftのビジネス部門プレジデント、ジェフ・レイクス氏は、「われわれの企業顧客は過去15年間にわたり、ERPやSCM(Supply Chain Management)、SFA(Sales Force Automation)といった分野に、何千億ドルもの資金をつぎ込んできた。だが、そうした投資を将来を見通した戦略作りに生かしている企業は少数に限られている。BIを活用している情報労働者の割合は、10%にも満たないのが現状だ」と述べている。

 レイクス氏は今日のBIを取り巻く状況について、企業内でごく限られた人にしか活用されていなかった20年前のワードプロセッサを引き合いに出し、現時点でBIや分析ツールを使用できるのは、企業の中でも「高レベルのデータ管理者」に限られていると指摘する。

 「われわれは、すべての情報労働者がBIのすぐれた機能を活用し、ビジネスの将来を考えるうえで重要な情報に平等にアクセスできるようにすることを目指している。1ユーザー当たりの利用料金を低くし、可能な限り広範な導入を促すことで、BIの経済力学に革命を起こすつもりだ。情報労働者が日々の仕事をしている現場にBIを提供できるため、BIのユーザー数はこれまでの10倍にも膨れあがるだろう」(レイクス氏)

 デンマークの補聴器会社オティコンのグループ財務マネジャー、ウルフ・ヒルトン氏は、PerformancePoint Server 2007が発表された際の電話会議で、同社が2008年2月にPerformancePointを導入する予定であることを明らかにした。

 オティコンがPerformancePointを選んだのは、同ソフトウェアが全社的に利用できる企業パフォーマンス管理ツールを備えており、使い慣れたExcelインタフェースからデータにアクセスできるからだという。

 「財務部門でこうしたシステムに関与しているスタッフは、全員が毎日Excelを使用している。Excelが使えるという点は、はずせないポイントだった」(ヒルトン氏)

 PerformancePointにおけるExcelのサポートは、ユーザー・エクスペリエンスの向上だけでなく、データの整合性やバージョン管理といった面でもメリットがある。また、 Excelに対応することで、企業は独自に開発したExcelの予算作成モジュールやリポート作成モジュールなどを使い続けられると、ヒルトン氏は述べた。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)

米国Microsoft
http://www.microsoft.com/
「Office PerformancePoint Server 2007」のページ
http://office.microsoft.com/performancepoint/

提供:Computerworld.jp