日本オラクル、1ユーザー13万円のSMB向けBIツールを発表――導入のしやすさ、低価格、使いやすさの追求でSMBのBI市場に切り込む
同社はBI SE Oneのアピール・ポイントとして、「導入のしやすさ」、「低価格」、「使いやすさ」の3点を挙げている。同製品の投入によって、従来のBIツールに対してもたれている「導入しにくい」、「高い」、「使いにくい」というイメージを払拭し、SMB市場に切り込んでいく構えだ。各アピール・ポイントについての同社の説明は以下のとおりである。
■導入のしやすさ
BI SE Oneは、アドホック分析やダッシュボード、定型帳票設計・配布といった機能を備える各コンポーネントが1つに統合されたパッケージとして提供される。従来では、これらが別々の製品として提供されていたため、各製品をそれぞれに導入・管理する手間が生じていたうえに、統合のためのコストやリスクが問題になっていたという。BI SE Oneでは、各コンポーネントがシームレスに動くように事前統合されており、これらを一括してインストールできる。そのため、導入が簡単になるという。
■低価格
BI SE Oneの価格は、65万6,250円(5ユーザー:1ユーザー当たり13万1,250円)からで、これは競業他社の比較的低価格な製品と比べても半額程度という。SMBに必要かつ十分なコンポーネントを備えるBIツールが、このような低価格で提供できることは、同製品の最大の特徴でもあるようだ。
BI SE Oneに備わるコンポーネントは、決算報告書などのドキュメントとリポートを生成する「Oracle Business Intelligence Publisher」、リポート構築と解析を行う「同 Answers」、チャートなどの視覚化を実現する「同Dashboards」、データベースへのアクセスを管理する「同 Server」、RDBMSの「Oracle Database 10g Standard Edition One」、データ・ウェアハウスを構築する「Oracle Warehouse Builder 10g core ETL」である。なお、BI SE Oneは、オラクル以外のデータベースに対しても展開が可能だ。
■使いやすさ
BI SE Oneでは、リポート生成などの作業がWebベースで行える設計になっている。また、生成された複数のリポートを一覧表示する機能や、それらの要素をドラッグ・アンド・ドロップによって自由に再配置したり容易にグラフ化したりできる機能もある。さらに、帳票作成にWordやAcrobatを用いることもできる。こうした使いやすさを追求した機能により、ITに通じていないユーザーにも簡単に操作ができるという。なお、同製品を1つのサーバ上で稼働させた場合には5人から50人まで利用が可能である。
発表に際し、同社常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏は、BI SE Oneについて「限られた予算でBIツールの導入/活用を望むSMB市場のユーザー企業に対して新たな選択肢となる」と語った。また、すでに投入している同社のエンタープライズ向けBIツール「Business Intelligence Enterprise Edition」や「Business Intelligence Standard Edition」と併せて、「あらゆる規模において今年中にナンバーワンのBIベンダーになる」(三澤氏)と強調した。
発表会では、同製品の販売促進の一環として、技術者の育成支援を行っていくことも明らかにされた。また、SMBをターゲットとするISVのERPパッケージ製品に同製品を組み込んで提供するという戦略も紹介され、すでに組み込みを表明している、みずほ情報総研の「発見的統合ソリューション for SuperStream」と、電通国際情報サービスの「連結パッケージ STRAVIS」のデモが披露された。
(高山哲司/Computerworld)
日本オラクル
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