ITメモ:パッチとアップデートを見つけてくれる新サービス

 今年の初めにWikiベースのソフトウェア案内サービスITeratingが開始されたときのねらいは、オープンソースソフトウェア、商用ソフトウェア、ホスト型ソフトウェアを対象とした編集可能なディレクトリ(要覧)を作り上げる、という単純なものだった。このサイトを訪れる利用者は、製品の調査、消費者によるレビューの投稿と閲覧、機能の比較を行い、十分な情報に基づいて製品の購入を決定できる。今回、このITeratingサービスには、重要なパッチやバージョンのアップデートを確実にシステム管理者に通知するという独自の機能が追加された。

 ITeratingのCEO(最高経営責任者)Nicolas Vandenberghe氏は、このWebサイトを立ち上げてすぐに、ユーザが自分たちにとって重要なソフトウェアの最新情報を追跡する手段を必要としていたことが明確になった、と語る。何百というベンダWebサイトの活動を定期的にチェックすることは、多忙なITプロフェッショナルや開発者にとって現実的ではなく、ITeratingにはそこに改善の余地のあることがわかっていた。広い範囲にわたるリポジトリやアーカイブに接続し、自動的に情報を探し出すWebサービスの開発が、その解決策だとITeratingは判断した。こうしたサービスを生み出すために、彼らはSemantic Webコミュニティのリーダーたちと協力して既存のいくつかのオントロジーを1つの包括的な語彙構造に統合し、データ収集の機能強化を図った。その結果、生まれたのが17,000件のソフトウェア製品を監視してアップデートとパッチのチェックを行うサービスだった。

 一般的に、各アプリケーションはベンダのWebサイトに定期的に接続して自らのアップデートがないかのチェックを行い、前回のチェック時点以降に更新されたすべてのものをダウンロードする。しかし、一部のアプリケーションでは、電子メールやWebサイトを通じてアップデート通知が届いていないかどうかをユーザ側でチェックしなければならない。そのため、何十、何百というアプリケーションを管理しているシステム管理者は、重要なパッチを見逃しやすくなる。

 ITeratingの新しいサービスでは、製品またはカテゴリに対する無料登録を行うだけで、ユーザはソフトウェアのパッチ、アップデート、新しいバージョンが出た時点でITeratingサイトから通知を受け取ることができる。今のところはRDFリーダを使って登録が行えるが、近々RSSフィード機能も使えるようになる見込みだ。

 Vandenberghe氏は次のように話している。「このサイトを立ち上げたときに、我々はこれをWiki化しようと決めていた。そうすれば確かに人々が自分の情報や意見を追加できるようになるが、我々は、電子的なインポート機能によっても大量の情報取得が可能であり、その大部分は購読可能なフィードのように自動化する必要がある、と考えた。こうしたサービスは自分たちだけではなく、業界も必要としていることは知っていた。今やSemantic Webのサービスを使ったアップデートの基盤が出来上がり、同じ情報を自動化されたデータサービスに通知させ、Wikiのフォーマットとつなげることが可能になった。我々が目指すのは常に最新の情報を提供できるソフトウェア製品ガイドであり、我々ならそれを実現できる」

ITManagersJournal.com 原文