ITメモ:購入決定に影響を与えるソーシャルメディアツール

 あるソーシャルネットワーキングサイトが2000人を超える各業界従事者を対象に最近実施した調査によると、IT担当の意志決定者によるソーシャルメディア関連のWebサイトやツールの週あたりの平均使用時間は3.5時間だという。また、製品の購入決定にあたってIT従事者が頼りにするのは、ベンダのサイトや業界誌のような従来の情報収集源よりもユーザがソーシャルWebサイトで作成したコンテンツのほうである、との結果も出ている。

 また、回答者の4分の3以上がWikiやブログのようなツールが仕事の効率化に役立っていると考えており、回答者のほぼ3分の2にあたる人々がソーシャルメディアのコンテンツを参照することで意思決定を左右する情報がより多く得られると答えている。さらに、幹部クラスの意志決定者は、一般の開発者やITアナリストさえも凌ぐ量のソーシャルメディアコンテンツを利用している。

 ITtoolboxがPJA Advertising & Marketingと協力して実施したこの調査では、購入の意志決定においてソーシャルメディアツールがどのような役割を果たしているかを明らかにするために、さまざまな業界と国のIT従事者に対してアンケートが行われた。調査への参加依頼はITtoolboxの既登録者に電子メールで送付されたため、今回の調査の参加者は概してソーシャルメディアWebに何らかの価値を見いだしていたと考えるのが妥当だろう。PJA Advertisingの執行副社長Mike O’Toole氏によると、調査から浮き彫りになった最も意外な結果の1つは、IT従事者が同業者からの反応や意見をどれほど当てにし、そして信用しているか、だったという。

 「我々はソーシャルメディアの影響力には懐疑的だった。まさか、ソーシャルメディアが多くの人々にとって重要な判断基準になっているとは思いもよらなかった」(O’Toole氏)

 ソーシャルメディアコンテンツを調査ツールとして利用することでIT意志決定者は「率直かつ多様な最新の意見」が得られるが、そこに欠点がないわけではない、とO’Toole氏は述べる。「それは、統一された編集方針がなく、良識や公平さを要求する権威者がいないことだ。しかし、ソーシャルメディアに追随する人々はこの点に関して十分な理解があり、意見の多様性や数の多さを前向きに受け止めていて、狂気じみた意見や背後に何らかの思惑が見える意見を排除することができる、と私は思っている」

 2007年版「ITtoolbox/PJA IT Social Media Index」調査の内容について詳しく知りたければ、すべての結果をオンラインで参照できる。O’Toole氏によると、PJA社では新たなトレンドを探して「時系列に追跡可能なソーシャルメディアの動向を割り出す」ために、この調査を半年ごとに繰り返しているという。

IT Manager’s Journal 原文