NACベンダーの人気度、未導入ユーザーではCiscoが1位に――導入ユーザーの“ベンダー乗り換え度”が最も低いのはCA
カレント・アナリシスの調査はNACの導入担当者290名を対象にしたもので、技術系のWebサイトを使って実施された。調査リポートを執筆した同社アナリストのアンドリュー・ブラウンバーグ氏によると、回答企業の45%はすでにNAC製品を導入していたという。
同調査において、NAC製品をまだ導入していないユーザーから最も多くの支持(魅力度)を得たベンダーはCiscoだった。同社はインフラストラクチャ・ベースとアプライアンス・ベースの2種類のNAC製品を提供しており、これらはNAC未導入の企業ユーザーからそれぞれ41%と45%という高い支持率を得ている。
また、Ciscoに次いでNAC未導入のユーザーから人気だったのはMicrosoftで、そうしたユーザーの21%が同社製品を第1の候補に挙げた。
ところが、NACを導入済みのユーザーだけを対象にした継続購入(今後も同じベンダーからNAC製品を購入)の意思に関する質問では、CAが81%を獲得しトップに躍り出た。
さらに、CiscoのNAC製品を使っているユーザーだけを対象に、今後も同社のNAC製品を購入したいかどうかを聞いてみたところ、NACアプライアンスのユーザーの67%、インフラストラクチャNACのユーザーの68%が購入したいと答えている。
この数字からうかがえるのは、NAC製品に対する一定のカスタマー・ロイヤリティだ。特定ベンダーのNAC製品をインストールした企業は、それ以降も同じベンダーから購入する傾向が高くなる。
ベンダーによっては、魅力度と継続購入の意思にも大きな開きが見られる。例えば、NAC製品を購入したことのないユーザーのうち、ブラッドフォード・ネットワークスの製品を検討しているのはわずか1%にすぎないが、最初にブラッドフォードの製品を購入したユーザーの中で再び同社製品を候補に挙げたのは 78%に達している。「同社はCiscoに比べれば知名度こそ格段に低いが、継続購入の基準で見るとかなり健闘している」(ブラウンバーグ氏)
MicrosoftはNAC(同社ではNAPと呼ぶ)を展開するうえで必要なすべての要素をそろえていないため、NACベンダーの対象リストに含めるべきではないかもしれない。しかし、ブラウンバーグ氏がMicrosoftをベンダー・リストに加えたのは、同社製品からNACのメリットを享受していると感じていた回答者が多かったからだ。
同様にIBMとCAについても、NAC製品をマーケティングしているわけではないが、あえてリストに入れたと、ブラウンバーグ氏は同リポートに記している。「両社の優秀なプロフェッショナル・サービス部門は、それぞれのセキュリティ製品を組み合わせ、NACベンダーと同等の機能を提供している」(同氏)
ただし、コンセントリーやロックダウン、ミラージュ、ネヴィスといったNACベンダーはリストに入っていない。これは、調査結果を発表するにあたり、そのベンダーの名を挙げた回答者が少なくとも5%存在することを条件としたからだとブラウンバーグ氏は説明する。
一部のベンダーが魅力度で上位にランクインしたのは、自社のNAC技術を積極的に売り込んでいることが理由だ。「Ciscoの魅力度が高ポイントだったのは、ほかのどのベンダーよりも長い期間NACの宣伝に力を入れてきたからであり、(魅力度の調査結果は)むしろ人気コンテストの結果だと言ってよい」(ブラウンバーグ氏)
同リポートでは、NACを導入するうえでの大きな障害として、コストと複雑さを挙げている。特に複雑さは、既存ハードウェア/ソフトウェアとの互換性や、問題発生時の対処法などで異なると指摘している。
(ティム・グリーン/Network World オンライン米国版)
提供:Computerworld.jp