Vyatta 2.2ベータがリリース

 Vyatta 2.2ベータ版(コード名は“Camarillo”)のリリースがVyattaによって発表された。このリリースには、同社が商用サポートを行っているオープンフレキシブルルータ(OFR)ディストリビューションを対象とした数々の機能強化、新機能、100を超えるバグフィックスが含まれる。

 Vyattaは、基本的にはDebianベースのLinuxディストリビューションでありながらネットワーク機能に主眼を置いたものである。今回のベータ版では、BGP(Border Gateway Patrol)の機能強化、NAT(Network Address Translation)のユーザビリティ向上、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバおよびDHCPリレーの改良、“show version”コマンドのオプション追加が行われている。

 2005年にネットワーク業界のベテランたちのグループによって創立されたVyattaは、オンラインコミュニティを立ち上げてWebサイトでOFRソフトウェアの初期ベータを公開した翌年から大きな注目を集め始めた。

 Juniperのような企業(特にCisco)が提供する商用プロダクトに代わるオープンソースの代替ソフトウェアとして、Vyattaの将来性は広く認められている。

 Matt Asay氏は2006年9月のブログで、Vyattaは市場のシェアをあっさりと獲得している、と述べている。「Vyattaに求められているのは適度に優れた動作だけであり、(どうやらこの要件は満たしていそうなので)早期導入者向けの市場を獲得するだろう。一方、Ciscoが市場シェア80%を維持するためには、改良を重ねるごとに、顧客の満足感向上(そして価格低下)を本気で行わなければならなくなるだろう」

 ただし、オープンソースのルータソリューションを最初に提供した企業はVyattaではない。ImageStream Internet Solutionsは、1995年からLinuxルータの販売を行っている。同社のルータは、プロプライエタリなコードが一部含まれるImageStream Linuxディストリビューション上で動作する。

 Vyatta 2.2ベータ開発版は、Vyattaのtestingリポジトリからダウンロードできる。既存のインストール環境も、Wikiの手順に従うことで2.2へのアップグレードが可能である。

 VyattaのWebサイトには、リリースノートとマニュアル類がひと通り用意されている。また、リリース告知によると、バグの報告はvyatta-usersメーリングリストまたはBugzillaデータベースを使って行う必要があるという。

Shirl Kennedyは、ブログ「DocuTicker」および「ResourceShelf」のシニアエディタ。Information Today紙にも「Internet Waves」というコラムを寄稿。1982年からテクノロジに関する執筆で活躍している。

Linux.com 原文