Puppy Linux 2.17がリリース

 旧式コンピュータでの使用に耐える小型でスリム化されたディストリビューションを求めているのであれば、Puppy Linux 2.17を検討してみてはどうだろうか。今回の新リリースでは印刷機能の大幅なアップグレードやモデムの検出と設定関係など様々な改善が施されている。

 Puppyの開発者であるBarry Kauler氏は今回のリリースアナウンスにて「PuppyにもようやくCUPSが実装できました」と述べている。Common UNIX Printing System(CUPS)が実装されたということはGutenprint 5.0.0が取り込まれたということであり、これは500を超えるプリンタがデフォルトでサポートされたことを意味する。HPドライバ群については、個別のPETパッケージとして利用可能だ。また今回のリリースにおけるCUPSの実装によって、PDFファイルへの書き出しも可能となっている。

 インターネットアクセスをダイヤルアップ接続で行うという需要は今日に至るも完全には払拭されておらず、例えばブロードバンド接続が利用できない遠隔地に外出する場合などでは未だ現役で使用されている。その様なケースでハードウェアモデムを使用する場合も、Puppy 2.17であればその検出と設定をスムースにこなしてくれるはずだ。

 ソフトウェアモデムについては完全な適合は期待できないものの、今回のリリースでは対応状況が若干向上されたとされている。「最新の内蔵型モデムカードやマザーボード搭載型モデムの大半で使われているソフトモデムを使用する場合、それがPuppyで使用可能であるかの自動検出が実行されます」というのが今回のアナウンスによる説明である。幸運にしてこの検査にパスした場合は、すべてがつつがなく進行するはずだ。問題は不運にしてパスできなかったケースだが、その場合は「自動設定を試みるようにはしてありますが、成功しない可能性があります」と説明されている。

 その他に今回のリリースでは、MultiMediaCard(MMC)およびSecure Digital(SD)カードの完全自動サポート、イメージおよびドライブのマウント機能の改善、ブート設定管理機能の向上、Linuxカーネルの2.6.21.5へのアップグレード、PDFビューワのGsviewからePDFViewへの置き換えなども行われている。Kauler氏が特に強調しているのが、今回のリリースにおけるNotecase Outlinerの採用である。「この件に関しては詳しく説明しておきたいことがあります」と同氏は語り、「バージョン0.5.8では、私がnote-manager/outlinerに欲しいと思っていたすべてが取り込まれました」と説明している。

 Puppy Linuxの標準リリースはpuppy-2.17-seamonkey-fulldrivers.isoというライブCD版で、これは82.6MBという非常にスリムなサイズに仕上がっている。こうしたPuppyの開発にKauler氏がGNU Linuxをベースとして着手したのは2003年のことだそうだ。

 それが今では……、独自のテーマソングが歌われるまでに成長している。はてさて、これを超える装飾品となると、次は何を付け加えるべきだろうか?

Shirl Kennedyは1992年よりテクニカルライターとして活動しており、現在はDocuTickerおよびResourceShelfウェブログのシニアエディタを務め、Information Todayの「Internet Waves」コラムにも寄稿している。

Linux.com 原文