HPの情報漏洩調査問題、前会長ダン氏に続いて3被告の不起訴処分が確定――残る1人も司法取引により刑が軽減される見通し
不起訴処分となったのは、HPの元担当弁護士ケビン・ハンサカー氏、私立探偵社セキュリティ・アウトソーシング・ソリューションズのロナルド・デリア氏、情報仲介業者アクション・リサーチ・グループのマシュー・デパンテ氏の3人。サンタクララ郡上級裁判所のロイ・カニンガム判事は28日、3被告を不起訴処分とする決定を下した。
3被告は、マスコミに機密情報を漏らしたHPの取締役を突き止めるため、身元を偽って調査対象者の通話記録を入手したとされている。3人の被告は、HP前会長のパトリシア・ダン氏、アクション・リサーチ・グループに雇われていたブライアン・ワグナー氏とともに、カリフォルニア州検察当局から刑事訴追されていた。
カニンガム判事は、3被告がそれぞれ最低96時間の社会奉仕を行ったことを受け、不起訴処分とすることに同意した。ハンサカー氏は165時間、デリア氏は100時間、デパンテ氏は120時間の社会奉仕を行ったとされている。
カニンガム判事は今年3月の裁判で、HP前会長のダン氏に対する訴追を棄却しており、その際に3被告についても最低96時間の社会奉仕を条件に不起訴処分にするとしていた。
カニンガム判事は、「HPの情報漏洩調査問題は公共の利益に大いに寄与した面がある」と述べている。本人になりすまして個人記録を入手する「プリテキスティング」への注目が高まったからだ。その結果、プリテキスティングを禁止する州法と連邦法も成立した。
なお、HPは2006年12月、情報漏洩調査問題を巡るカリフォルニア州の民事訴訟で1,450万ドルを支払い和解した。和解金は同州のプライバシー保護プログラムに充てられている。
一方、アクション・リサーチ・グループに雇われていたワグナー氏は今年1月、同州サンノゼの連邦裁判所で、刑の軽減と引き換えに共同謀議と悪質な個人情報窃盗の罪を認めており、同裁判所の判決を待っている。法定証言によると、ワグナー氏はアクション・リサーチ・グループに雇われ、プリテキスティングを行って電話記録を入手した。
(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)
米国HP
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提供:Computerworld.jp