5大検索エンジン、検索結果の4%は危険なリンク――検索連動の広告サイトへのリンクはさらに危険度アップ

 米国McAfeeは6月4日、Web検索サイトのセキュリティに関する調査リポートを発表した。

 これは同社が毎年行っているもので、米国の主要な検索サイト5社(「Google」「Yahoo!」「MSN」「AOL」「Ask」)を対象に、検索結果にどのくらい危険なWebサイトへのリンクが含まれているかを調査したものである。

 同社では、「Google Zeitgeist」や「Yahoo! Buzz」といった検索キーワード・ランキングなどから抽出した2,300語を利用して検索を行い、上位50件に表示されたWebサイトへのリンクに、危険なWebサイトへのリンクがどれだけ含まれているのかを、同社の「SiteAdvisor’s Web safety」を利用して調査した。

 なお、この場合の危険なWebサイトとは、アドウェアやスパイウェアを勝手にインストールしたり、攻撃コードが仕込まれていたりするWebサイトを指す。

 同調査の結果、検索結果として表示されるWebサイトへのリンクの4%は、危険なリンクであることが明らかになった。また、そのうち検索結果と連動して表示される広告サイト(スポンサー・サイト)へのリンクだけを見ると、6.9%が危険なWebサイトへのリンクだった。

 McAfeeでシニア・プロダクト・マネジャーを務めるマーク・マックスウェル氏は、今回の調査結果について、「検索結果と連動して表示される広告サイトへのリンクは、依然として危険度が高い。しかし、この状況は改善されている」と語り、広告サイトへのリンクの危険度は低下していることを強調した。同氏によると、2006年5月に行われた同調査では、検索結果と連動して表示される広告サイトへのリンクの8.5%は危険なリンクだったという。

 検索サイト別に見ると、危険サイトへのリンクが表示される比率がいちばん低かったのはAOLの2.9%だった(前年5.3%)。以下、Googleの3.4%(同5.3%)、Askの3.5%(同 6.1%)、MSNの4.2%(3.9%)と続き、いちばん高かったのはYahoo!の5.4%(4.3%)という結果だった。

 また、検索結果と連動して表示される広告サイトへのリンクだけを見ると、危険サイトへのリンクが表示される比率がいちばん低かったのはAskで4.1%(前年11.1%)、以下AOLの4.4%(同10.2%)、Googleの5.4%(同8.5%)、MSNの7.2%(同6.3%)と続き、いちばん高かったのはYahoo!で9.0%(前年6.5%)だった。

mcafee_thumb.jpg
McAfeeが発表した危険なWebサイトが表示される比率が高いキーワード・トップ10。8位に注目(出典:米国McAfee)

 さらに同リポートには、危険なWebサイトへのリンクが表示される可能性が高いキーワードも記されている。それによると、「bearshare」「limewire」「kazaa」といったファイル共有ソフト名や、「screensavers」「wallpapers」といったユーザーがダウンロードすることを目的としたキーワードは危険性が高いという。実際、bearshareのキーワードで表示された検索結果のうち、45.9%が危険なWebサイトへのリンクだった。

 最後にマックスウェル氏は、アダルト関連の用語で検索するのも危険な行為だと指摘する。アダルト関連の用語を利用した場合、検索結果として表示されるWebサイトへのリンクの9.4%は、危険なリンクであるという。同氏は、「アダルト関連のキーワードの検索で表示される広告サイトへのリンクの22.9%は、危険なリンクだ」と警鐘を鳴らす。

 なお詳細なリポートは、McAfeeのWebサイトで公開されている。また、同社ではWebサイトの安全性を確認する「McAfee SiteAdvisor」を無料提供している。

(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)

米国McAfee
http://www.mcafee.com/

提供:Computerworld.jp