Googleの第1四半期決算、63%の増収を記録――売上高も利益もアナリスト予想を上回る

 米国Googleは4月19日、売上高と利益がウォール街の予想を上回る2007年第1四半期決算(3月31日末締め)を発表した。

 発表によると、2007年第1四半期の売上高は36億6,000万ドルとなり、前年同期比63%増を記録した。広告パートナーに支払うコミッションを控除した売上高は25億3,000万ドルで、金融アナリスト予想平均の24億9,000万ドル(トムソン・ファイナンシャル調べ)を上回った。

 また、純利益は前年同期の5億9,230万ドル(1株当たり1ドル95セント)に対し、10億ドル(1株当たり3ドル18セント)となった。一時費用を除いたプロフォーマ・ベースの利益は11億6,000万ドル(1株当たり3ドル68セント)で、アナリスト予想平均の3ドル30セントを上回った。

 GoogleのCEO、エリック・シュミット氏は、電話会見の中で「忘我の境だ」と感想を述べ、「Googleの包括的な成長戦略が成功し続けていることに非常に感銘している」と語った。

 そのうえで同氏は、コア・ビジネスである検索結果とパートナー・サイトに配信するペイ・パー・クリック(クリック課金)広告の重要性にあらためて注意を喚起した。Googleに関する議論では、とかく新製品やベンチャー事業ばかりに話題が集中し、コア・ビジネスの検索広告が見過ごされがちだというのである。

 「当社はまだこの(検索広告)ビジネスの端緒を開いたばかりだ。多くの人々は、これをビッグ・ビジネスだと見ていないようだが、実際には巨大なビジネスであり、まだまだ発展の余地がある」(同氏)

 ちなみに、13日に発表したオンライン広告会社ダブルクリックの買収については、あくまでも広告ビジネスを補完するものであり、従来の弱点であったディスプレイ広告の販売能力を高めるものだというこれまでの見解を幹部が繰り返すにとどまった。

 一方、今回の会見でシュミット氏は、ビデオ共有サイトのYouTubeに海賊版ビデオをフィルタリングしてブロックする機能を適用しようとしているという最近の報道について触れ、その事実を否定した。

 Googleが近く公開する予定の「Claim your Content」ツールは、こうしたプロセスを「ある程度自動化」し、コンテンツ・オーナーが違法コピーのビデオにフラグを付けてGoogleがサイトから削除できるようにするという。

 「これはフィルタリング・システムではなく、アップロードをブロックするものではない。そうした方法よりもアップロードされた不適切なコンテンツをはるかに効率的かつ迅速に削除することができ、DMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)への準拠もより厳密に行える」

 シュミット氏のコメントからは、ユーザーは今後も好きなコンテンツをYouTubeにアップロードでき、ビデオの確認と削除の責任はGoogleとコンテンツ・オーナーの双方が負うようになることが読み取れる。ちなみに、GoogleはViacomのビデオを無許可でYouTubeに掲示したとしてViacomから 10億ドルの著作権侵害訴訟を起こされている。

 2007年第1四半期の売上実績の内訳を見ると、Google自身が運営するサイトの売上高は22億8,000万ドルで、総売上高の62%を占めた。これに対し、広告パートナーの売上高は13億5,000万ドルだった。

 米国以外の売上高は総売上高の47%を占め、前年同期の42%に比べてその比率が高まった。また、広告ネットワーク・パートナーのサイトを含む有料クリック総数は52%増加した。

 常勤従業員数も全世界で増加しており、2006年12月31日時点の1万674人から3月31日時点で1万2,238人になったという。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp