非営利団体のOSA、オープンソース・ソフトの相互運用に向けて本格始動――今後の活動内容と新プロジェクトもあわせて発表

 オープンソース・ソフトウェアの普及と相互運用性向上を目指すOSA(Open Solutions Alliance)は4月18日、今後の活動内容の詳細と、新プロジェクト「Common Customer View」の概要を発表した。今年2月に発足してから2カ月が経過しているが、具体的な活動内容が明らかになったのは今回が初めてとなる。

 OSAは、異なるベンダーのオープンソース製品をビジネス・ユーザーが容易に導入/連携できるようサポートする非営利団体である。米国UNISYS、米国Adaptive Planning、米国Centric CRM、フランスのタレンドなど、17の企業/団体が加盟している(4月18日現在)。

 OSAの役員で、UNISYSのオープンソース事業担当バイスプレジデント兼ジェネラル・マネジャーでもあるアンソニー・ゴールド氏は、企業がオープンソース製品の採用に二の足を踏む理由の1つに「オープンソース製品の相互運用性に関する明確な規格が存在しないこと」を挙げ、OSAの活動内容について以下のように語った。

 「相互運用性に関する規格がない状態では、多種多様のオープンソース製品を導入し、各製品を連携させることは容易ではない。われわれはこの問題を解決するため、オープンソース製品の導入を検討している企業のCIOやITスタッフと協議し、導入を検討している製品の相互運用性に関するロードマップを作成して、作業スケジュールや運用の課題などを示していく」

 ゴールド氏によると、OSAは、オープンソース製品の導入を検討している企業に対し、相互運用が可能なソフトウェアの導入指針として、利用可能な規格とベスト・プラクティスを示した文書を提供していくという。

 一方、新プロジェクトのCommon Customer Viewは、各種アプリケーションに格納された情報を集積/統合し、どのアプリケーションからでも情報にアクセスできる環境の構築を目指すものだ。まずは、OSAの加盟企業/団体が提供している、CRM(顧客関係管理)やERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)、BI(ビジネス・インテリジェンス)といったアプリケーションが対象になる。

 なお、OSAは、今年8月6~9日にサンフランシスコで開催される「LinuxWorld」において、Common Customer Viewのプロトタイプを公開し、デモを行う予定だという。

 OSAによると、同プロトタイプには、多種多様なアプリケーションをシングル・サインオンで利用できる機能や、共通検索機能、ビジネス・データのリアルタイム同期機能などが実装される予定だという。

 さらに、OSAは役員会のメンバーも発表した。新役員として、ゴールド氏に加え、Centric CRMのマイケル・ハービー氏、米国ジャスパーソフトのバリー・クローアンズ氏、米国スパイクソースのドミニク・サルトリオ氏、Openbravo(スペイン)のジョーセプ・ミチャ氏が選出されている。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

OSA(Open Solutions Alliance)
http://www.opensolutionsalliance.org/

提供:Computerworld.jp