Symantec、SMB向けホスティング・サービスでSaaS市場に初参入――第1弾はデータ・バックアップとディザスタ・リカバリ

 米国Symantecは4月17日、中小規模企業(SMB)を対象にした「Symantec Protection Network-Online Backup Service(SPN)」を発表した。SPNは、オンライン・データ・バックアップとディザスタ・リカバリをSaaS(Software as a Service)モデルで提供するサービス。同社がSaaSモデルを手がけるのは、今回が初めてとなる。

 SPNの顧客企業は、重要なデータをSymantecのデータセンターに保管し、必要に応じてWebブラウザを介してデータを管理/監視できる。

 SPNは現在ベータ・プログラムの段階であり、今後はマルウェア対策機能やネットワーク・セキュリティを確保するアプリケーションも随時追加される予定だという。なお、同社では今年末には正式サービスをリリースしたいとしている。

 同社では、SaaSモデルで提供されるセキュリティ・アプリケーションを利用すれば、企業はパッチの適用作業やウイルス対策、さらには緊急時を想定した対策に配慮する必要がなくなるため、コストや従業員の作業負担を軽減できるとしている。

 SPNの提供は、Symantecと同社のリセラー・チャネルを通じて行われる予定であり、顧客は必要に応じてSPNの内容をカスタマイズすることができるという。料金体系については明らかにされていない。なお、同社ではSaaSモデルへの移行に伴い、自社製品の料金体系を、複数年契約から月額料金制に移行させる予定だという。

 SPNについて同社の幹部は、「セキュリティ・アプリケーションを自社で用意する余裕のないSMBは多い。SPNは、そのような企業にうってつけのサービスだ。SaaSモデルを導入するメリットは多い。今後は大規模企業でもセキュリティ・アプリケーションをSaaSモデルで利用する企業が増えていくだろう」と語った。

 同幹部によると、最近はSalesforce.comなど、企業向けアプリケーションをSaaSモデルで提供する企業が増加しているため、SaaSモデルは企業に浸透しつつあるという。

 「もはや顧客にSaaSモデルの概念やメリットを説明するのは難しいことではない」(同幹部)

 同社の見解はおおむね業界アナリストらと一致しているようだ。複数のアナリストは、SaaSモデルのセキュリティ・ソフトウェア・サービスはSMB市場から浸透し、大規模企業にも普及すると予測している。

(マット・ハインズ/InfoWorld 米国版)

米国Symantec
http://www.symantec.com/

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