Salesforce.com、コンテンツ管理市場に参入――コーラル買収で手に入れたWeb 2.0コンテンツ管理技術を採用

 米国Salesforce.comは4月10日、コンテンツ管理市場に参入すると発表した。「Salesforce Content」と名付けた新構想の下で、非構造化データを含むすべてのコンテンツの管理プラットフォーム、およびオンデマンド管理アプリケーションを提供する。

 Salesforce.comが掲げるSalesforce Contentは、データベースに保管されている構造化データだけでなく、電子メールや音声ファイル、ビデオ・データなどの非構造化データについても、一元的かつオンデマンドで管理できるようにするというもの。この実現に向けて、Salesforce.comは今年3月に米国コーラルを買収し、Web 2.0コンテンツの管理技術を手に入れた。

 「当社は今日からコンテンツ管理プレーヤーである」と、Salesforce.comの企業戦略担当バイスプレジデント、ブルース・フランシス氏は語った。

 Salesforce Contentの一環として、Salesforce.comは「Apex Content」を提供する予定だ。これは、コンテンツ管理のオンデマンド・アプリケーションを開発するためのプラットフォームとなるもので、これを利用すれば、同社のプラットフォーム上で動作するアプリケーションにコンテンツ管理機能を追加できる。最初に登場するオンデマンド管理アプリケーションは「Salesforce ContentExchange」となる。

 Apex ContentとSalesforce ContentExchangeは、いずれもコーラルの技術をベースとしている。なお、Salesforce.comはコーラル買収に関する財務的な情報を一切明らかにしていない。

 Salesforce ContentExchangeには、ビジネス・コンテンツのタグ付け、コンテンツの評価とコメント付与、特定のドキュメントやトピックの購読を行うWeb 2.0ライクな機能が備わっている。

 フランシス氏によると、同ソフトのねらいは、EMCの「Documentum」やMicrosoftの「SharePoint」といったエンタープライズ・コンテンツ管理製品よりも簡単かつ迅速に必要なデータを探せるようユーザーを支援することだという。「Salesforce ContentExchangeでのコンテンツへのタグ付けは、Flickrの画像やYouTubeのビデオのタグ付けのようになる」(同氏)

 Salesforce ContentExchangeとApex Contentの価格と出荷時期については、今年後半に発表される見込みだ。

 コンサルティング会社シンクストラテジーズのマネージング・ディレクター、ジェフ・カプラン氏は、Salesforce.comのコンテンツ管理市場への参入について、「良いタイミング」だと評価する。同氏はその理由を、「顧客やパートナー、ライバルに関する情報をどうやって有効に活用しようかと、多くの企業が模索しているというのが、今の状況だからだ」と説明する。

 また同氏は、「検索エンジン以外の領域へと手を広げるGoogleと同様に、Salesforce.comも、コア・コンピタンスのホステッドCRM以外の市場で足場を固めたいと考えている」と指摘する。ただし、より多くの人々により多くのものを提供することを目指すなかで、同社は将来的に重大な困難に直面するかもしれないと、同氏は付け加えた。

 一方、AMRリサーチのディレクターであるロブ・ボイス氏は、Salesforce.comがコンテンツ管理市場に参入すれば、同社の中核的顧客の一部が引き続きユーザーになると予測する。同社の顧客の多くは、すでにCRMソフトで提供されているものを除き、まだコンテンツ管理技術を広く採用してはいないと考えられるからだ。

 ボイス氏はまた、今回のSalesforce.comの発表を受けて、一部のベンダーの間では新規ユーザー獲得の手段としてSaaS(Software as a Service)モデルへの関心がより高まると見ている。「おそらくMicrosoftもその例外ではない。しかし短期的には、同社がSharePoint事業を店じまいするとは思わない」(ボイス氏)

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

Salesforce.com
http://www.salesforce.com/

提供:Computerworld.jp