Intel、無線ノートPC向け新ブランド「Centrino Pro」を発表――vProのリモート管理やセキュリティ自動化機能をサポート

 Intelは4月5日、無線ノートブックPC向け技術ブランド「Centrino」(開発コード名:Santa Rosa)の強化計画の一環として、同バンドル技術に「vPro」のIT管理機能を追加した新ブランド「Centrino Pro」を発表した。PCベンダー各社は2007年6月までに新ブランドの販売を開始する見通しだ。

 新ブランドは、Centrinoのバッテリ管理機能と無線接続機能をはじめ、vProのネットワーク・セキュリティ自動化機能およびリモート・トラブルシューティング機能をサポートする。

 この数四半期の間、低迷するデスクトップPCとは対照的にノートブックPCは販売の好調が続いており、新ブランドの投入によって、Intelのシェアはさらに拡大すると見られている。

 IntelはCentrinoやvPro、あるいは「Viiv」といったプラットフォーム戦略の下、各PCに搭載されるチップのみを販売するのではなく、プロセッサからチップセット、グラフィック・カード、ときには無線カードまでを含む、包括的なハードウェア・バンドル製品を提供している。

 米国Intelのバイスプレジデントでモバイル・プラットフォーム事業本部長を務めるムーリー・エデン氏は、声明の中で、「企業顧客がデスクトップPCよりノートブックPCを選ぶ傾向が続いている今、CentrinoとvProを組み合わせる意義は大きい」と力説している。

 Intelは2006年9月に、DellやHPなどが販売するデスクトップPC用のシステムとしてvProをリリースした。同システムを利用すれば、IT管理者は複数の企業PCを遠隔管理したり、ソフトウェアの問題を修復したり、セキュリティ脅威を監視したり、さらには自席からほかのコンピュータを再起動したりすることが可能となる。

 こうした特徴からvPro対応デスクトップは企業顧客に支持されるようになり、すでに3MやBMW、INGグループ、ジョン・ホプキンス大学、Verizon Communicationsなどが採用しているという。

 今年2月、パートナーのNokiaがCentrinoプラットフォーム上で3G携帯電話パケット通信技術「HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)」に対応するモジュールを提供するという提携が決裂し、IntelはモバイルPCユーザーが無線経由でインターネットに接続する手段をWi-Fiに制限せざるをえなくなった。

 それでもCentrino Proは、ほとんどあらゆる面でオリジナルの水準を超えている。例えば、プロセッサがシングルコアからデュアルコア「Core 2 Duo」へとアップグレードし、Microsoftの「Windows Vista」を処理できるよう画像処理能力を向上しながら、電力消費量は低く抑えられている。

 また、PCのハードディスクの動作をフラッシュ・メモリで補い、マシンの起動時間を最大20%短縮する「Turbo Memory」にも対応している。

 HSDPAは使用できないものの、ワイヤレス機能の利便性はむしろ向上する見込みだ。Intelは今年1月に、Centrino向けのネットワーク・カード「Next-Gen Wireless-N」(開発コード名:Kedron)を採用することを明らかにしている。

 KedronはIEEE 802.11n規格に準拠しており、現行の802.11a/gカードに比べ、データ転送量が5倍、伝送距離が2倍になっている。こうした広い帯域は、VoIP(Voice over IP)通話や音楽ファイルおよび高画質映像のダウンロードなどを実現する際にきわめて重要な要素となる。

(Computerworld.jp)

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