日本IBM、リッチウェブコンテンツを操作できる視覚障害者向けアクセシビリティ・ツール

 日本IBM東京基礎研究所は2007年3月12日、動画やアニメーションなどネット上のマルチメディアコンテンツを視覚障害者が利用するための新しいアクセシビリティ・ツールを開発したと発表した。操作をキーボードのショートカットキーなどに割り当てるもので、オープンソースソフトとして公開して利用促進を図る予定。時期は未定。

 通常、マウス操作で行うマルチメディアコンテンツの再生・停止は、視覚障害者には難しい。また、テキスト読み上げソフトを使ってウェブを利用している人の場合、自動再生される音声が聞き取りのじゃまになることがある。このため障害者向けに、マウスを使わず、キーボード操作だけでマルチメディアコンテンツを扱うソリューションが求められていた。

 新ツールは、Windows MediaやFlashなどのマルチメディアコンテンツの操作ボタンをキーボードに割り当てることができる。また、ビデオ再生の速度や音量も調節可能。これによって、マウスを使わず、必要な時に必要な大きさ・速度で音声を聞けるようにした。

 ビデオやストリーミングの音声と読み上げ音声の音量は、独立して調整が可能で、一番聞きやすいバランスが選べる。このほか、コンテンツの制作段階で、ビデオ画面の内容をテキスト化したスクリプトをメタデータとして埋め込み、ビデオ内容の解説やFlashインタフェースを付加することも可能。読み上げ速度はビデオの再生速度と自動的に同期させることができる。【鴨沢 浅葱/Infostand】

日本IBM東京基礎研究所
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