オラクル、データのライフサイクル管理ツール「ILM Assistant」を無料提供

 米国オラクルは2月26日、データの作成から削除までのライフサイクル管理を支援するツール「Information Lifecycle Management Assistant(ILM Assistant)」を、「Oracle Database 9i/10g Enterprise Edition」のユーザーに無料で提供すると発表した。

 ILM Assistantの提供はすでに開始されており、同社のWebサイトからダウンロードできる。

 ILM Assistantは、ユーザーが定義した情報ライフサイクル・ポリシーを基に、データベース内にデータを作成した時点から、格納したデータの移動、変更、削除に至るまでのライフサイクルを容易に管理できるよう支援するツールである。

 例えば、データの使用状況を分析し、アクセス頻度が少ないデータを管理コストの低いストレージに移動させるようアドバイスするといった機能を提供する。

 オラクルによると、企業内に存在するデータは過去2年間で約3倍のペースで急増しており、企業はデータの保管コストをいかに削減するかに頭を痛めているという。

 実際、オラクルが顧客企業を対象に行った調査では、92%の企業が2007年中にストレージを追加する必要性があると感じており、64%のユーザーが2007年度にストレージを購入する予定があると回答している。

 同社のILM Assistant担当シニア・プリンシパル製品マネジャー、リリアン・ホッブス氏は、「われわれは1年以上にわたり、Oracle Database 9i/10gのユーザー企業におけるデータの使用状況について研究した。ILM Assistantにはそのベスト・プラクティスが反映されている。さらにILM AssistantはGUIベースなので、使い勝手もよいと確信している」と語った。

 なお、同社では今後、ILM AssistantとOracle Database 10g、そして特定のストレージ・デバイスをトータル・データベース・ソリューションとして提供する計画があるという。

 すでに、iSCSIやSAN(Storage Area Network)対応のネットワーク・ストレージ製品を提供しているネットワーク・アプライアンスのデータ保存ソフト「SnapLock」と、ILM Assistantとを連携させる方法を指南するホワイト・ペーパーも公開している。

 ただし、同ツールを利用するためには、ユーザーはオラクルが提供するWebアプリケーション開発ツール「Oracle Application Express」をインストールする必要がある。この点についてポップス氏は、「将来的にはApplication ExpressをインストールしなくてもILM Assistantが利用できるようにしたい」と語っている。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

米国オラクル http://www.oracle.com/

提供:Computerworld.jp