Sun、NetBeansを後押しするパートナー・プログラムを拡充

 米Sun Microsystemsは10月30日、オープンソースのJava対応統合開発環境「NetBeans IDE」の最新バージョンとなるNetBeans IDE 5.5を正式に公開するとともに、同IDEのパートナー・プログラムを拡充すると発表した。新しいプログラムにより、Sunは「Eclipse」のように多くのパートナー企業から支持を得たいとしている。

 新しいパートナー・プログラムは、「NetBeans Strategic Partner Program」と名付けられている。同プログラムに参加した企業/組織には、技術サポートとともに、Sunの開発者コミュニティと共同でマーケティングを行ったりする機会が与えられる。また、「NetBeans Day」などの開発者向けイベントやセミナーに参加できるほか、java.sun.comやNetBeansなどのWebサイトで自社の宣伝を行うことも可能だ。パートナー各社は、特別なロゴによって見分けがつくようになっている。

 Sunの開発ツール担当ディレクターであるダン・ロバート氏によると、NetBeansを支援するパートナーの数は、1年前の約30から大幅に増えて、現在では125社に上っているという。しかも、その数は今後も増える見込みだ。「携帯電話会社やアプリケーション・ライフサイクル管理ベンダー、ハンドセット・メーカーなど、ありとあらゆる会社と交渉を続けている」と同氏は述べている。ちなみに、Eclipse Foundationのメンバー企業は現時点で144社だが、大手ベンダーが加わっていることが大きい。例えば、同メンバーにはIBMやOracleなどが名を連ねている。

 もっとも、パートナーの数が増えているからといって、それでNetBeansの未来が明るくなるとは限らない。米フォレスター・リサーチのシニア・アナリスト、ジェフリー・ハモンド氏は、Sunは“量”ではなく“質”に焦点を当てるべきだと主張する。

 「この分野でSunが成功するかどうかは、パートナーの数よりも、パートナーから得られる技術の質にかかっている」(ハモンド氏)

 同氏はさらに、Eclipseのようにプラグイン・ソフトを充実させる必要もあると指摘する。ライバルとなるEclipseは、多くの商用プラグイン・ベンダーから絶大な支持を得ているからだ。

 「多くのプラグイン・ベンダーに対し、NetBeansのユーザー・ベースが十分に大きく、将来的にもうかる市場セグメントであるとSunが納得させることができれば、Eclipseに匹敵する支持が得られるだろう」(ハモンド氏)

(ポール・クリル/InfoWorldオンライン 米国版)

提供:Computerworld.jp