HP、世界PC市場でDellを交わしてトップに

 市場調査会社ガートナーとIDCがそれぞれ10月18日に発表したPC市場の調査結果によって、ヒューレットパッカード(HP)が2006年第3四半期の全世界におけるPC出荷台数でライバルのDellをわずかに上回ってトップの座を獲得したことが明らかになった。

 ガートナーによると、HPがPC市場でトップに立ったのは2003年第4四半期以来のことであり、HPとDellのPC出荷台数は、HPが965万2,000台(PC市場でのシェアは16.3%)、Dellが954万1,000台(同16.1%)だという。また、IDCの見積もりによると、PC出荷台数はHPが983万1,000台、Dellが980万3,000台だが、市場シェアはいずれも17.2%で「統計上の差はない」という。また、IDCの調査では、前年同期比の出荷台数の伸び率は、HPが15%を若干上回っているのに対し、Dellの伸び率は3.6%だった。

 HP、Dellに続く第3位のベンダーは、両社ともにレノボ・グループの名前を挙げているが、市場シェアは、IDCが7.8%としているのに対し、ガートナーは7.5%としている。ただし、出荷台数の伸び率がおよそ10%という点では一致している。また第4位のベンダーがエイサーで、市場シェアがおよそ6%であるという点も同様だ。エイサーの伸び率は、IDCの見積もりで34.3%、ガートナーの見積もりで33.4%となっている。第5位のベンダーが市場シェアおよそ4.2%の東芝という点でも両社のデータは一致しているが、伸び率はIDCが20.4%、ガートナーは30.5%と見積もっている。

 世界PC市場全体の伸び率については、両社の間で違いが生じている。IDCは、7.9%アップのおよそ5,700万台と見ており、第2四半期の9.8%から若干減速したとしているが、ガートナーは、6.7%アップしておよそ5,900万台になったとしている。

 IDCによると、世界PC市場の出荷台数は、前年同期比のおよそ11%増だったが、米国市場の減速が押し下げたという。米国市場に関するデータは、IDCとガートナーの間で若干異なっているが、出荷台数が落ち込んでいるという点では一致している。また、米国市場におけるDellのシェア低下率については、IDCが6.7%としているのに対し、ガートナーは7%以上としている。ただし、米国市場でDellが全体の3分の1近いシェアを確保し、依然としてトップであるという点に違いはない。米国市場で第2位になったのはHPで、市場シェアはIDCが22%、ガートナーが23%、また、伸び率はIDCが6.9%、ガートナーが6.3%と見積もっている。

 IDCの調査には、デスクトップPC、ノートPC、x86サーバPCが含まれているが、ハンドヘルド・マシンは入っていない。これに対しガートナーの調査には、デスクトップPC、ノートPC、x86サーバが入っているが、ワークステーションは除外されている。

(ホアン・カルロス・ペレス、グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)

提供:Computerworld.jp