IBM、メインフレームの運用管理に1億ドルを投資

 米国IBMは今週、同社のメインフレーム「System z」の運用管理を支援するプログラムやツール、サービスを発表した。同社は今後、System zの導入、運用管理の簡素化を目的とする5カ年プロジェクトを1億ドルの予算を投じて実施する計画だ。

 同プロジェクトを通じて提供されるプログラムとツールには、システム監視ツールの「IBM Health Checker for z/OS」や操作性の向上が図られた新開発の管理コンソール、ソフトウェア・コスト管理やソフトウェア調達を支援するソフトウェア資産管理技術などが含まれる。IBMのSystem z担当製品マーケティング・マネジャー、ジョン・バーグ氏は、「管理者やプログラマーがメインフレームの運用に精通するには、多大な時間を要する。われわれはそれを簡素化するとともに、インタフェースの複雑さを軽減し、メインフレームの管理や監視を容易に行えるようにすることを目指している」と述べている。

 今年発表された米ウィリアムズ・データ・システムズの委託調査では、メインフレームのスキルを持つ人材が不足していることが明らかになった。これによると、回答した135社のほぼ半数が、1〜5年しか経験がないIT管理者を採用していると答えたという。

 一方、メインフレームの運用管理を容易にするプログラムでは、同社Tivoli部門の管理コンソール「OMEGAMON z/OS」が使用されている。この管理コンソールは前述のHealth Checkerの出力を受け取り、管理作業を自動化、簡素化する。

 このプログラムには、z/OSの次期バージョン「z/OS 1.8」の新機能「Hardware Configuration Manager(HCM)」が含まれている。HCMは新しい構成ウィザードと、I/O Definition Fileのエクスポート/インポート機能で強化されている。ユーザーは同プログラムにより、「RMF(Resource Management Facility)Monitor III」リポートにアクセスできるため、ボトルネックやリソース競合を迅速に発見、解消することが可能になるという。

 また、現行のz/OS 1.7に含まれる「IBM Configuration Assistant for z/OS Communications Server」に、侵入検知サービスなどネットワーク機能のセットアップをガイドする機能や、構成エラーの回避を支援する機能が新たに追加された。ほかにも、「WebSphere」や「Rational」製品に加え、Javaや従来のCOBOLをサポートしたことで、System z対応アプリケーションの開発を支援できるとしている。

 上記のプログラム・ツールはすでに提供開始されている。z/OS 1.8は10月末までにリリースされる予定。

(デニ・コナー/Network World オンライン米国版)

提供:Computerworld.jp