Oracle、“記録的”な好決算を発表──契約数と規模が増大

 米Oracleは6月22日、2006年度第4四半期(2006年3〜5月期)の決算を発表した。同社の幹部は電話会見の中で、契約規模や契約数の増大が「記録的」な好業績につながったと説明している。

 Oracleの共同社長でCFO(最高財務責任者)のサフラ・カッツ氏によると、データベースとアプリケーション、データベースとミドルウェア、ミドルウェアとアイデンティティ管理ソフトウェアの組み合わせによる販売が増加し、100万ドルを超えるソフトウェア契約の数が39%伸びたほか、1月に買収手続きを完了した旧Siebel Systemsのソフトウェア製品が予想の倍にあたる約8,100万ドルの売上げを記録したという。

 OracleのCEO、ラリー・エリソン氏は、統合スイートへの販売フォーカスが、世界規模での顧客の獲得や市場シェアの拡大というかたちで実を結び始めていると強調した。

 また同氏は、主力のデータベース事業が、度重なる買収で増強されてきたアプリケーション事業ほど華々しい成長率を示していないという指摘に対して、次のように反論した。

 「当社のデータベース事業の成長のペースが遅いとかIBMやMicrosoftの攻勢にさらされているといった記事を見かけることがあるが、ガートナーやIDCなどの市場アナリストによる最新リポートはOracleの業績がIBMよりもはるかに高いことを示している。当社のデータベース事業は順調に成長しており、きわめて健全な状態にある」

 エリソン氏はさらに、Oracleのミドルウェア事業が10億ドルの売上げを達成するという予測が、第4四半期に現実のものになったと付け加えている。

 米国会計基準(US GAAP)に基づくOracleの2006年度第4四半期(3−5月期)の総売上高は49億ドル(前年同期比25%増)、純利益は13億ドル(同27%増)、1株当たり利益(EPS)は24セント(同24%増)となった。売上高のうち40億ドルはソフトウェア販売収入で、アプリケーションの新規ライセンス収入が前年同期比83%増、データベースとミドルウェアの新規ライセンス収入も18%増を記録した。サービスによる収入は前年同期比13%増の約8億5,700万ドルだ。

 Siebelやリテックなどの買収の影響を除外すると、売上高は48億ドル(同22%増)、純利益は15億ドル(同17%増)、1株当たりの利益は29セント(同11%増)となり、証券アナリストの事前予測平均(トムソン・フィナンシャル調べ)の28セントを上回った。

 ちなみに、US GAAPに基づく2006年度通期の総売上高は144億ドル(前年比22%増)、純利益は34億ドル(同17%増)、EPSは64セント(同16%増)となった。

 一方、2007年度第1四半期(2006年6−8月期)ついては、新規ソフトウェア・ライセンス収入が前年同期比18〜25%増、ソフトウェア収入合計が20〜25%増、総売上高は前年同期比19〜20%増、特別費用計上前のEPSが16セントになるとの見通しを示している。

 なお、エリソン氏は、オープンソース・ソフトウェアの魅力について触れ、「だれでも自由に利用できるのが特徴であり、当社もその例外ではない。オープンソース・ソフトウェアのどれか1つを選んで、一気にナンバーワン・ディストリビューターになることも可能だ」とし、「実際、当社は将来そうするかもしれない」と述べた。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

米Oracle
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提供:Computerworld.jp