Cryptmountでファイルシステムとスワップ空間を保護する

  Cryptmount を使えば、ファイルシステムとスワップ空間の両方を暗号化できる。暗号化されたファイルシステムは、通常のファイルシステムと同じように(たとえば「/dev/sda2」を使って)ブロックデバイスに格納できるほか、別のファイルシステムに属する普通のファイル内に格納することもできる。後者の方法が特に役立つのは、パーティションテーブルを変更したりLVM(Logical Volume Manager)を使ったりせずに暗号化されたファイルシステムを扱いたい場合だ。Cryptmountではスワップ空間も暗号化できるので、暗号化されたファイルシステムに含まれる情報のセキュリティが、プロセスをハードディスクにスワップアウトするLinuxカーネルによって不用意に損なわれることもない。

ストレージの暗号化をクロスプラットフォームGUIで実現するTrueCrypt 5.0

 クロスプラットフォームな暗号化アプリケーション TrueCrypt のバージョン5.0が先月TrueCrypt Foundationよりリリースされた。TrueCrypt 5.0には待望のLinux用GUIをはじめとして、Mac OS Xポート、XTSモード、Windows上のシステムパーティション/システムドライブの暗号化、SHA-512ハッシュアルゴリズムの追加など、多数の改善点がある。

セキュリティー:HDDの暗号化データ破りを実証 米プリンストン大

 米プリンストン大学の研究チームは2月21日(米国時間)パソコンのハードディスク(HDD)内に暗号化されたデータを不正規な方法で解読することに成功したと発表した。電源を切って間もないメインメモリー(DRAM)から、暗号鍵を取り出すという手法で、特別な装置なしでできるという。「HDDの暗号化も万全ではないことを実証した」としている。

Linuxラップトップの盗難に対処するためのセキュリティ確立法

 ラップトップおよびノートブック形態のコンピュータの盗難事件は増加の一途をたどっている。例えばコンピュータ保険を手がけるSafeware Insuranceの2004年における推定では、1年間に60万台ものラップトップおよびノートブック型パソコンがこうした被害に遭っているそうだ。同様の推定値としては2006年において75万台という数字がAbsolute Softwareから出されている。ちなみに同社はコンピュータ追跡用の製品を手がけているものの、残念ながらLinuxはサポート外とのことだ。またLoJack For Laptopsもこうしたコンピュータ追跡関連企業の1つであり(Linuxをサポートしていない点も同様だが)、こちらでは数年前におけるアメリカ国内でのラップトップ/ノートパソコンの盗難数として200万台というFBI統計が挙げられている。このように数値的なバラツキはあるものの、ラップトップおよびノートブック型の携帯コンピュータの盗難が大きな問題と化していることは厳然たる事実であり、自分のLinuxラップトップを失わないためにはそれなりの対策が必要のはずである。

GnuPGプラグインを利用したデジタルセキュリティの導入

 GNU Privacy Guard(GnuPG)は、ネット上で交換するメッセージやデータの、暗号化、復号、署名、検証および、これらの処理に必要な鍵の生成と管理を行うためのソフトウェアである。GnuPGは、OpenPGP Standard(RFC2440)を完全なオープンソース形態で実装したものであり、クリップボード処理用アプレットを始めインスタントメッセージクライアントに至る様々なLinuxアプリケーションと一体化して動作するようになっている。GNOMEデスクトップ環境にデジタルセキュリティを導入したければ、これらのアプリケーションにGnuPGを組み合わせるのが一番の早道だと言えるだろう。

フォーバル、フィルタリングと暗号化機能を連携するソリューション

 フォーバル クリエーティブ(金住治社長)は6月28日、オレンジソフト(日比野洋克社長)とクリアスウィフト(山本卓夢代表取締役)と協業し、Eメール統合管理ソリューションの機能を強化した「暗号化連携ソリューション」を7月1日に発売すると発表した。税別価格は250万円から。

TCG、ストレージへの不正アクセスを防止する新仕様のドラフトを公開――デバイスとファームウェアでアクセスの正当性をチェック

 非営利のセキュリティ標準化団体トラステッド・コンピューティング・グループ(TCG)は先週、ハードディスク・ドライブやフラッシュ・ドライブ、テープ・カートリッジ、光ディスクに保存された機密データへの不正アクセスを防止するための新仕様「Trusted Storage Specification」のドラフトを発表した。

グローバルサイン、IPアドレスなしでも独自ドメインSSLを利用できるサービス

 グローバルサイン(中條一郎社長)は6月13日、「GlobalSign」ブランドで、ウェブサイトごとにIPアドレスの割当てがない「名前ベースのバーチャルドメイン」でも、独自ドメインでSSLサーバー証明書の利用が可能になるサービス「NonIP SSL(ノンアイピーエスエスエル)」の提供を開始したと発表した。同社のパートナーにOEM供給し、パートナーのサービスとして提供する。

SFTPを使った安全なファイル転送

 ファイル転送プロトコル(FTP)は、かつてコンピュータ同士でのファイル転送に最も広く用いられたプロトコルだった。しかし、FTPは認証情報およびファイルコンテンツを暗号化せずにケーブルを介して送るため、安全な通信方法とは言えない。Secure Copy(SCP)やもっとロバストなSSH File Transfer Protocol(SFTP)は、十分に暗号化されたチャネル上でデータを転送することによって、このセキュリティ上の懸念を解決している。こうした代替案を利用すれば、インターネットをはじめとするどんな信頼できないネットワーク上でもセキュアなファイル転送を行うことができる。