「Deno v1.25.0」公開、npmサポートが実験導入

 JavaScript/TypeScript向けのランタイム「Deno」の開発チームは8月24日、最新安定版となる「Deno v1.25.0」を公開した。npmのサポートが実験扱いとして加わっている。

 Denoは、Node.jsの開発者らが開始したJavaScriptとTypeScript向けランタイムエンジン。V8とRustをベースとし、単一の実行ファイルとして提供される。明示的な指示のない限りファイル、ネットワーク、環境にアクセスしないなど安全性を特徴とする。Deno 1.25は7月末に公開されたDeno 1.24に続く最新安定版。

 deno initサブコマンドを追加した。Denoプログラムの基本的な書き方、テストの書き方のサンプルを含むmain.tsとmain_test.tsの2つのファイルを作成する。特定のディレクトリでプロジェクトを初期化するのに使うこともできるという。npm specifiersのサポートが実験的に加わった。npm specifiersはまだ新しく、うまくいかないシナリオが出てくるだろうと注意している。deno run、deno test、deno benchで使えるが、型チェックはまだ未対応で、言語サーバーとの統合もまだ実現していない。

 最新版ではまた、新しいHTTPサーバーAPIとなるDeno.serve()を実験導入した。高パフォーマンスのHTTP実現を目指しており、ベンチマークでは、hello-worldのリクエストがNode.js比較で4倍、既存のWebサーバー比較で3倍高速になったと報告している。シングルスレッド設定のRust HTTPサーバー「Hyper」との比較でも、20%高速という。性能ではまた、起動時間も改善した。起動時の依存性分析のキャッシュ化を進めることで実現している。このほかにも細かな強化が加わっている。

Deno
https://deno.land