Vim9スクリプト言語をサポート、性能強化した「Vim 9.0」が登場

 テキストエディタ「Vim」開発チームは6月28日、最新のメジャーリリースとなる「Vim 9.0」公開を発表した。Vim9スクリプト言語のサポートが最大の特徴となる。

 Vimはクロスプラットフォーム対応のテキストエディタ。viと互換性があり、「改良されたvi」との意味である「Vi IMproved」からvimと名付けられている。多数のプログラミング言語とファイル方式をサポートし、マルチレベルのアンドゥツリー、プラグインシステム、検索と置換などの機能を備える。Vim 9.0は2016年に公開されたバージョン8系以来のメジャーリリースとなる。8系では2019年12月にバージョン8.2が公開されていた。

 Vim9スクリプト言語をサポートした。Vim9は性能の改善を最大の目的としたリリースで、コマンドを命令セットにコンパイルして効果的に実行することで実現した。実行速度は10〜100倍を見込むとしている。一方で、一部で後方互換性が損なわれていることを注意している。Vim9のもう一つの目標はVim固有の構文を避けて、JavaScriptやJavaなどよく使われるプログラミング言語に近づけること。なお、レガシースクリプトのサポートを停止する計画はなく、これまで通り動くとしている。

 高速化のメリットを享受するためには関数をdefで定義し、引数と戻り値の型を指定をする必要がある。これにより高速に実行できるだけでなく、バイトコードにコンパイル時の間違いを早期に発見できるという利点もあるという。このほか細かな強化も図られている。Vim 9.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Vim
https://www.vim.org