Mozilla、機械翻訳のアドオン「Firefox Translations」を公開
Mozillaは6月2日、機械翻訳のためのブラウザアドオン「Firefox Translations」を公開した。クラウドを経由せず、ローカルで翻訳を行うものとなる。
Project Bergamotは、Webブラウザ内で動くクライアントサイドの機械翻訳ツール開発を目指し、Mozillaのドイツチームが英国のエジンバラ大学、シェフィールド大学、チェコのプラハ・カレル大学、エストニアのタルトゥ大学と共に2019年にスタートしたプロジェクト。欧州連合の研究開発プログラム「Horizon 2020」プロジェクトとして、300万ユーロ近くの資金を得ている。
特徴は、クラウドで処理するのではなくローカルで機械学習ベースの処理を時効する点。エンジン、言語モデル、ページ内の翻訳アルゴリズムがユーザーのコンピュータで実行されるため、プライバシーとセキュリティのリスクに配慮できる。翻訳エンジンはネイティブコードにコンパイルできるプログラミング言語で作成されている。また、GPUに依存せずにCPUでも十分な速度のエンジンを開発するために機械翻訳エンジン周りにハイレベルなAPIを開発してWebAssemblyに移植するなどの工夫を加えたという。
Firefox TranslationsはMozillaのAdd-Onストアより入手できる。ライセンスは Mozilla Public License 2.0。現時点では、イタリア語、スペイン語、ドイツ語など12言語に対応、日本語は未対応。今後、新しい言語に対応できるようにトレーニングのパイプラインを開発するとしている。
Firefox Translations
https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/firefox-translations/