「Ubuntu 22.04 LTS」(”Jammy Jellyfish”)が公開

 英Canonicalは4月21日(英国時間)、Linuxディストリビューションの最新版「Ubuntu 22.04 LTS」(”Jammy Jellyfish”)を公開した。

 2021年10月に公開した「Ubuntu 21.10」に続く最新版。Ubuntuは6ヶ月のリリースサイクルをもち、4回目を長期サポート版(LTS)とする。Ubuntu 22.04はそのLTSとなり、2027年(Extended Security Maintenance(ESM)利用時は2032年)までサポートされる。前回のLTSは2020年4月のUbuntu 20.04(”Focal Fossa”)。

 Linuxカーネルは5.15を採用、デスクトップ環境はGNOME 42となり、Waylandサポート強化などを利用できるようになった。out-of-memory対応処理のsystemd-oomd統合なども加わった。デフォルトのテーマがライト(Light)となり、UIアクセントカラーも加わった。マルチタスクとドックの両オプションが新しくなり、マルチタスクでは画面の四隅にカーソルを動かすホットコーナーを有効・無効にできる。デフォルトでFirefoxがスナップとして提供されるようになった。メンテナンスを簡素化し、セキュリティを強化できるという。このほか、Confidential Computingとして、主要なパブリッククラウドとの統合を強化した。これにより、既存のアプリケーションに変更を加えることなくデータ保護とプライバシー保護を講じることができるという。特にMicrosoft Azureでは、Azure Confidential VMをサポートする唯一のLinuxディストリビューションとなる。

 ARM上での性能のためにAWS Graviton向けにイメージを最適化した。Oracle Cloudとも協業を深め、サポートする全てのハードウェアでUbuntuが動くようにした。合わせて、通信業界および産業アプリケーション向けとしてリアルタイムカーネル(ベータ)も発表した。x86とArm64向けにはPREEMPT_RTパッチセットを統合し低遅延のユースケースで利用できるとしている。このほか、性能、セキュリティも特徴とし、クリティカルなシステムに耐えうるレベルを目指す。

 PCI-DSS、HIPAA、FedRAMPなどの業界規制をサポート、インストーラーではAdvanced Group Policy ObjectでMicrosoft Active Directory(AD)にフル対応した。このほか多数の強化が加わっている。

英Canonical
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Ubuntu
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