「OpenStack Yoga」が公開

 Open Infrastructure Foundationは3月30日、オープンソースのクラウド基盤の最新版となる「OpenStack Yoga」を公開した。

 OpenStackは半期に一度のリリースサイクルをもち、最新版となるYogaは2021年10月公開のXenaに続くリリースとなる。プロジェクトは今年12周年を迎えており、Yogaは25回目となるリリース。

 ネットワークモジュールNeutronでremote-managed vNICのサポートとして、SmartNIC DPU(データプロセッシングユニット)に対応した。コンピュートモジュールのNovaでもSmartNICを使ってホストサーバーからコントロールプレーンの機能をオフロードできるネットワークバックエンドのサポートが加わった。

 Novaではエミュレーションされたアーキテクチャの実装も進み、AArch64、PPC64LE、MIPs、s390xのゲストアーキテクチャがホストアーキテクチャに関係なく利用できるようになった。実験扱いであり、セキュリティの保証がないことなどから運用環境で使用しないように留意している。Novaではこのほか、アイデンティティサービスモジュールKeystoneとの連携も進めた。

 ファイル共有サービスManilaでは、共有ファイルの”ゴミ箱”が加わった。エンドユーザーはソフトウェアベースで削除したり、特定の期間は復旧することができる。デフォルトでは7日間復旧可能で、それを過ぎるとクリーンナップされる。NeutronではLocal IPとして、複数のポートや仮想マシン間でバーチャルIPアドレスを共有できる機能を導入した。同じ物理サーバー/ノードにある範囲からしかアクセスできないもので、用途としては大規模なクラウドやネットワークスループットの需要が高いクラウド向けのネットワークデータプレーンを想定しているという。

 このほか、各モジュールで多数の細かな機能が加わった。また、モニタリングシステムのPrometheus、Kubernetesなどとの統合も強化した。

OpenStack
https://www.openstack.org