MozillaがWebの進化に向けたビジョンペーパーを発表
オープンなWebを掲げるMozillaが、ビジョンペーパー「Mozilla’s vision for the evolution of the Web」を公開した。プライバシー、セキュリティなど新しく取り組んだり、改善していくべき分野を挙げている。
「Mozilla’s vision for the evolution of the Web」はMozillaが3月23日に公開したもので、これからのWebについてMozillaの考えを示した。同ペーパーでMozillaは、Webは重要な通信システムとなり、多くの人にとって日常不可欠なものとなっていることを認め、「Webはたくさんの正しいことをしてきたが、まだ不完全だ。良い部分を保存しながら、まだ良くない部分や現時点で有害な部分を改善することが目的だ」と記す。
Mozillaはマニフェストでオープン、ユーザーを力付ける、安全の3つを掲げており、これと現在のWebを照らし合わせると、以下のような部分で改善の余地があるという。
- ユーザープライバシーの保護
- 悪意あるコードからの保護
- 通信全てを暗号化
- 安全なWebの拡張
- どのような用途でも十分な速度を持つWeb
- 誰もが簡単にWebにパブリッシュできる
- ユーザーが自分の望む条件でWebを体験できる
- 非英語ユーザーにも優れた体験を提供
- 障がいのある人向けのアクセシビリティを改善
通信の暗号化については、「全てのHTTPトラフィックを安全にするという長いプロセスを進めており、DNSなどの既存のレガシープロトコルに後付けし、デフォルトで全ての新しいプロトコルに組み込む必要がある」と主張している。また、速度については、「5年前に比べると格段に高速になっているが、性能の問題はまだ残っているとし、修正するためにはブラウザとインフラの両方でアプローチする必要がある」としている。Mozillaは今後数年でこれらの変化を実現していきたいとしている。
「Mozilla’s vision for the evolution of the Web」
https://webvision.mozilla.org/full/