「PipeWire 0.3.44」が公開

 Linux向けマルチメディアフレームワークのPipeWire開発チームは1月27日、最新安定版となる「PipeWire 0.3.44」を公開した。

 PipeWireはマルチメディアパイプラインを処理するためのサーバーおよびユーザー空間API。Red Hatの開発者がスタートしたプロジェクトで、Linuxでの音声と動画の処理を改善することを目的とする。PulseAudioとJACKが処理するユースケースに加えて、低遅延、グラフベースの処理エンジンなども特徴とする。  Fedoraは、2021年4月公開のFedora 34より、PulseAudioに代わってPipeWireを採用している。  PipeWire 0.3.44は1月5日に公開したバージョン0.3.43に続く最新版。0.3系とAPIとABI互換のあるバグ修正リリースとなる。

 最小限のPipeWireサーバーをセッションマネージャーなしで動かすことができるようになった。JACKクライアントを動かすのに十分としている。  最大のバッファ容量がこれまでのハードコード8192サンプルより大きくなり、設定できるようになった。  デフォルトの最大遅延が170ミリ秒から42ミリ秒に削減された。通知など大きな遅延を求めるアプリケーションの遅延を改善できるとしている。  このほか、JACKとの互換性を改善し、Bluetooth使用時にクラッシュを引き起こす問題の修正なども加わった。

PipeWire
https://pipewire.org