faker.jsがFakerとして再スタート

 1月初めにメンテナー自らがライブラリを破損させたfaker.jsを救済しようと、8人の開発者がメンテナンスを始めている。1月16日には、TypeScriptをサポートしたFaker 6系のアルファ版を公開した。

 faker.jsは大量のダミーデータを生成できるJavaScriptライブラリ。Fakerは2004年にJason Kohles氏がPerlで実装したのが始まりで、その後Ruby、Python、Javaなどにも実装された。faker.jsはそのJavaScriptポートとなる。毎週のダウンロード数はnpm経由で260万件。

 1月4日、faker.jsのメンテナンスを行なっていたMarak Squires氏がinfinite loopを導入してライブラリを破損していた。Fakerはコミュニティ主導のプロジェクトとしてfaker.jsの継続を図るもので、開発者グループによると、オリジナル作者のKohles氏もプロジェクトの立ち上げに合意しているとのこと。アクティブなフォークをマージしたことから、正式なライブラリを名乗っている。

 Fakerの新しいメンテナーとしては、米GraycoreのCEO兼創業者Damien Retzinger氏など8人が名を連ねている。すでにGit Hubで最新のFakerパッケージ(@faker-js/faker)を作成し、npmで全てのFakerバージョンを公開した。初の公式ドキュメンテーションも公開し、Prettier、CI、Netlify Deploy Previews、GitHub Actionsなどのツールのクリーンナップも行ったという。  今後のロードマップとしては、まもなくTypeScriptのプルリクエストをマージした6系を公開し、その後はESMサポート、テストインフラの改善、Node 18互換などの機能を実装していくとしている。

 なお、それまでfaker.jsをメンテナンスしてきたSquires氏のライブラリ破損については、「パッケージは削除されて、プロジェクトは放棄された」とのこと。今後、コミュニティが管理するプロジェクトに移行していくとしている。  プロジェクトへの経済的支援については、今後はOpen Collectiveと協業し、メンテナーではなくプロジェクトに紐づくようにする。それ以前に得られた支援については、レガシーのアカウントに移し、Squires氏ともう一人のメンテナーが利用できるようにするという。

Faker
https://fakerjs.dev/