「ReactOS 0.4.14」公開、NEC PC-9800ブートをサポート

 WindowsとAPIレベルでの互換性を目指すオープンソースのOS「ReactOS」の開発チームは12月16日、最新版「ReactOS 0.4.14」を公開した。NEC PC-9800のブートのサポートなどが加わっている。

 ReactOSは、Microsoft Windowsとのバイナリ互換性を目指すオープンソースのOS。Windowsソフトウェア、Windowsドライバを動かすことができ、外観もWindowライクになっている。カーネルおよびデスクトップ環境、各種ドライバ、ユーティリティツールなどが提供される。  ReactOS 0.4.14は2020年4月に公開されたバージョン0.4.13に続くリリース。主としてメンテナンスが中心となる。

 Shellコンポーネントを強化した。ファイルやディレクトリを特定の場所に送ることができるSend Toを実装した。また、Open File Location、Open Command prompt hereといった機能も実装した。

 カーネルではMemory Managerを強化したほか、物理アドレス拡張の処理についても初期作業が加わった。PnP(Plug n’ Play)、CRT(C Run-Time)例外処理なども強化した。

 これまでIP Helper APIモジュールで主に実装していたInternet Control Message Protocol(ICMP)では、lcmpルーティンをリライトできる制御コードを実装した。ネットワークデバイスドライバがアプリケーションに適切な方法でICMPリクエストとレスポンスを渡すことができるという。  Red Hat開発のNDIS 5互換ドライバNetKVM VirtIOをサポートした。QEMUなどの仮想マシンなどのVirtIOネットワーキングの高速化が図れるという。  最新版では、NEC PC-9800上でのブートをサポートした。比較的容易なポートだが、新しいコントリビューターの参加により作業が進んだと報告している。

ReactOS
https://reactos.org