コンテナサポートの強化などが加わった「Red Hat Enterprise Linux 8.5」

 Red Hat(米IBM)は11月10日(米国時間)、最新のLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 8.5」を発表した。コンテナのほか、Microsoft SQL Server運用なども強化されている。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 8.5は2019年に公開されたバージョン8系の最新版。5月公開の8.4に続くリリースとなる。

 Linuxコンテナ向けの強化として、RHEL 8 Podmanコンテナイメージが一般公開(GA)となった。Podmanはデーモンレスのコンテナエンジンで、CI/CDシステム、WSL2/Windows、Docker Desktop/macOS、RHEL 6/7/8で使用できる。また、デフォルトでコンテナイメージの署名をチェックするようになった。OverlayFSをネイティブサポートし、ルートレスコンテナの構築と運用の性能を改善するという。

 RHELの管理と実装では、自動化と管理面での強化を図った。システムの電力状態、デバイスのブート順序などをIntelligent Platform Management Interface (IPMI)を使って設定管理できるAinsibleモジュールをサポートした。Webコンソール性能メトリクスを強化し、CPU、ディスク、ネットワークなどで性能の問題を検出できるようになった。また、メトリクスをGrafanaサーバーにエクスポートする機能も改善した。システムロールを使ったVPNとPostfixの設定時間も削減するという。

 セキュリティとポリシー管理では、カーネルライブパッチ機能がすべてのRHELマイナーリリースで利用できるようになった。また、RHELのWebコンソールよりカーネルライブパッチ機能を管理できるようになった。System Security Services Daemon(SSSD)ユーザー認証ログでは、完了に要した時間、エラー、認証フロー、設定などが強化された。RHEL上でのMicrosoft SQL Serverについても、RHEL System Roleを利用できるようになるなど設定、管理、運用で強化が加わった。開発関連では、パッケージがOpenJDK 17、.NET 6、Ruby 3.0、nginx 1.2、Node.js 16などにアップデートされている。

Red Hat Enterprise Linux
https://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux