Linux向けシステムコンテナの「LXD 4.20」が公開

 The LXD teamは11月7日、システムコンテナの最新版となる「LXD 4.20」を公開した。

 LXDはシステムコンテナおよび仮想マシンマネージャー。コンテナランタイムはCで作成されており、Linuxカーネルコンテナ機能のユーザー空間インターフェイスとしてAPIとツールを備える。これを利用してアプリケーションコンテナの作成と管理ができる。英Canonicalが立ち上げ、現在はLinux Containers傘下でプロジェクトが運営されている。LXD 4.20は10月に公開された4.19に続く最新版。

 新機能として、仮想マシンのライブマイグレーションを初期サポートした。lxc moveを使って2台のLXDサーバー間を動かしたり、lxc move –を使ってクラスタ内でターゲットに動かすことができる。ライブマイグレーション機能を利用するためには、migration.statefulを有効にしておく必要がある。仮想マシンではまた、コアスケジュールのサポートも加わった。すでにコンテナでは実装済の機能で、CPUのSMT(同時マルチスレッディング)を使用できる。コアスケジュールをサポートするカーネル上で動作時は自動的に全てのvCPUスレッドをコアスケジューリングのグループとして取り扱う。

 コンテナでは、新しい設定キーlinux.syctl.*を導入した。コンテナ起動時に特定のsysctlを特定の値に直接設定できる。クラスタメンバーで、設定キーのサポートが加わった。Open Virtual Network(OVN)向けのネットワークピア機能を導入した。LXDネットワークでOVNを使用時に複数のネットワークが定義されている場合、あるネットワークから別のネットワークへルーティングするとOVNから出て、アップリンクのネットワークにいき、再びOVNに入っていたが、ネットワークピアを活用してOVNを直接ルーティングできるように設定できる。ピア機能の導入により、ACL(アクセス制御リスト)も、容易にルールが設定できるとしている。OVNではSR-IOVアクセラレーションのサポートも加わった。OVNベースのネットワークの性能を改善するという。

 ネットワークではまた、ネットワークゾーンのコンセプトを導入した。実質的にはLXDネットワークに紐づいたDNSゾーンで、DNSレコードをフォワードしたり、IPv4のリバースなどができるという。このほかにも細かな機能が加わっている。

Linux Countainers
https://linuxcontainers.org