「OpenBSD 7.0」が公開

 セキュリティにフォーカスしたディストリビューションOpenBSDの開発チームは10月14日、最新のメジャーリリースとなる「OpenBSD 7.0」公開を発表した。

 OpenBSD 7.0は2016年に公開されたバージョン6系に続く最新のメジャーリリース。累計で51回目のリリースとなり、リリースソングは”The Style Hymn”。  プラットフォームでは、64ビットRISC-Vシステム向けriscv64プラットフォームが加わった。arm64のサポートも改善し、Apple Silicon搭載Macの改善、mue(4)向けLEDのサポート、mvpp(4)におけるマルチキャストのサポートなどが加わった。なお、Apple Siliconのサポートはまだ一般向けではないと留意している。

 amd64でbase-gccが無効になり、SGIプラットフォームターゲットが引退になるなど、このほかのアーキテクチャでも細かな機能強化が加わっている。Direct Rendering Manager(DRM)では、drm(4)がLinux 5.10.65にアップデートされ、Tiger Lakeのサポートなども改善した。SMPでも、CPU単位でのpanic(9)メッセージバッファの導入など、さまざまな改善が加わった。

 ユーザーランドでは、NetBSDよりtimeout(1)ユーティリティをインポートした。時間制限付きでコマンドを走らせるために利用できる。openrsync(1)でincludeとexcludeのオプションが加わり、mg(1)でも複数のコマンドが加わった。インストーラーも強化した。ルーティングデーモンやユーザーランドネットワークでは、bgpd(8)デーモンの強化を中心に、pf(4)パケットフィルタ、IPSECサポートなどでも多数の細かな強化が加わった。無線ネットワークドライバ関連を強化し、IEEE 802.11スタックもバグの修正と強化が加わった。一般的なネットワークスタックでは、VLAN 0 priority taggedパケットの受信を実装した。

 OpenSSH 8.8、OpenSMTPD 7.0.0、LibreSSL 3.4.1をサポートした。LLVM Clang 11.1、Go 1.17、GCC 8.4.0/11.2、KDE Applications 21.08.1、Xfce 4.16など、パッケージも新しくなった。このほか多数の強化が加わっている。

The OpenBSD Project
https://www.openbsd.org