5年ぶりのメジャーリリースとなる「Qt Creator 5.0」登場
The Qt Companyは8月26日、統合開発環境(IDE)の最新のメジャーリリースとなる「Qt Creator 5.0」の公開を発表した。
Qt CreatorはC++で実装された統合開発環境(IDE)。Linux、macOS、WIndowsで動くクロスプラットフォーム型で、デスクトップ、モバイル、組み込みなどに向けてアプリケーションを開発できる。2016年5月に公開されたQt Creator 4以来のメジャーリリースとなる。また、Qtは5月にQt Creator 4.15をリリース時にセマンティックバージョニングに切り替えることを発表しており、Qt Creator 5はその下でリリースされる初のメジャーバージョンでもある。
C/C++コードモデルのバックエンドとして、Clangdを実験的にサポートした。libclangベースのコードモデルを置き換えるものとなり、Language Server Protocolのサポート上に構築した。コンパイルができないなど、まだ完全ではなく、デフォルトではオフとなっている。実験的な機能としてはこのほか、Dockerコンテナでの構築と運用の実験サポートも加わった。現時点では、Linuxホストのみをサポートし、CMakeをビルドシステムとして使用している必要がある。
コード編集では、QMLコードモデルをQt 6.2ベースにアップデートした。Language Server Protocolで進捗の通知を利用できるようになったほか、コードすにペットもサポートした。また、C++コードモデルでの不具合も修正した。プロジェクトではCMakeを改善し、大規模なプロジェクトの読み込み時に発生するフリーズを削減した。Qbsは最新のバージョン1.32に更新、起動時間に与える影響が減るとしている。プラットフォームではMSVC ARMツールチェーンのサポートが加わった。また、Android 12が正しく処理されるようになった。
このほかにも多数の細かな機能強化や不具合の修正が加わっている。Qt Creator 5はQtダウンロードより入手できる。
Qt Downloads
https://www.qt.io/offline-installers