スキーマ的機能を導入した「Couchbase Server 7.0」が公開
米Couchbaseは7月29日、ドキュメント指向データベースの最新のメジャーリリースとなる「Couchbase Server 7.0」の一般公開を発表した。スキーマ的な機能を導入し、NoSQLとリレーショナルデータベースシステム(RDBMS)のギャップを縮めた。
CouchbaseはNoSQLに分類されるデータベース。SQLの持つ機能とJSONデータ形式の柔軟性を特徴とし、拡張性を備える。ドキュメントデータベース、キー/バリューストア、分散キャッシュなどの用途に利用できる。ライセンスはApache License 2。開発元の米Couchbaseは、7月22日にNasdaq市場にてIPOを果たしている。Couchbase Server 7.0は、2018年に公開したバージョン6に続くメジャーバージョンアップとなる。
リレーショナルデータベースシステム(RDBMS)要素の融合として、クエリ言語N1QLでのSQL ACIDトランザクションのサポートが加わった。START、UPDATE、DELETEなどのコマンドをマルチステートメントトランザクションとして扱い、複数の動作が同時に発生した際のオペレーションでデータの一貫性を保つとしている。Dynamic Data Containment Modelとして、Couchbase BucketsとJSONドキュメントの間にデータ組織レイヤーとしてScopesとCollectionsを導入した。スキーマ的な機能となり、オンデマンドで新しいデータ構造を追加できるというNoSQLの柔軟性を維持しながらRDBMSスキーマにマッピングできる多層構造をサポートするとしている。ScopesとCollectionsはリレーショナルから非リレーショナルデータベースシステムへの移行でも有用で、リフトーシフトーリファクタリングの3ステップでRDBMSからCouchbaseに移すことができるとしている。 なおScopesとCollectionsの導入によりインデックスが並列となり、性能が大きく改善するという。
このほか、N1QLでのユーザー定義関数(UDF)の追加、インデックスサービスでのGlobal Secondary Indexes(GSIs)のクラスタあたりの上限が1万に拡張された。Collectionレベルのバックアップを作成するBackup Serviceも導入した。管理者がバックアップの頻度を設定でき、バックアップはAWS S3またはNFS Sambaストレージに作成される。
このほかにも、多数の細かな機能が加わっている。Couchbase Serverは無償のCommunity Editionと有償のEnterprise Editionがあり、Community EditionはCouchbaseのWebサイトより入手できる。
米Couchbase
http://www.couchbase.com/