独SUSEが「SUSE Linux Enterprise 15 SP3」発表、openSUSE Leapと完全互換を実現
ドイツSUSEは6月21日、Linuxディストリビューションの最新版となる「SUSE Linux Enterprise 15 SP3」を公開した。先に公開ずみのopenSUSE Leap 15.3と100%バイナリ互換があり、開発環境と本番環境の間でワークロードをスムーズに動かすことができるとしている。
SUSE Linux Enterprise(SLE) 15 SP3は、2018年に公開されたSLE 15系の最新版。2020年6月に公開された同SP2に続く3回目のリリースとなる。 SUSEは6月2日にSLEの開発版となるopenSUSE Leap 15.3を発表時、SLEと同じソースコード、バイナリパッケージで構築することで100%のバイナリ互換を実現するとしており、SLE 15 SP3のリリースにより揃った格好だ。これにより、openSUSE Leap上で開発したワークロードをSLE上でそのまま動かすことができるとしている。
Gen 2 AMD EPYC CPUのセキュリティ機能であるSEV(Secure Encrypted Virtualization)が有効になり、Google Cloud Confidential VMでターゲットOSとして使えるようになった。
性能ではVirtual GPUのサポート強化、NVIDIA Compute Module、CUDA(Compute Unified Device Architecture)などのソフトウェアベースのアクセラレーションをサポートした。また、AMD EPYC、Intel Xeon、Arm、富士通のプロセッサでハードウェアレベルの機能を使うことで性能を改善するという。これらにより最大で20%の改善も可能としている。PostgreSQL 13などデータベースも新しくなった。SUSEはコンテナイメージプロジェクト SUSE Linux Enterprise Base Container Images(SLE BCI)も進めており、開発者向けリポジトリでSUSE Linux Enterprise Serverベースのコンテナ向けの最少環境で構成されるイメージを提供している。
SLE15 SP3はAMD64/Intel 64、Arm、Power、Z Systemsに対応、プロジェクトのWebサイトよりイメージをダウンロードできる。
ドイツSUSE
https://www.suse.com/