Linux Foundation、ワクチン接種証明のグローバルなネットワークを立ち上げ

 Linux Foundation Public Health(LFPH)イニシアティブは6月8日、新型コロナのワクチン証明を証明するグローバルネットワーク「Global COVID Certificate Network(GCCN)」の立ち上げを発表した。人々の安全で自由な移動を簡単にするとしている。

 Linux Foundation Public Health(LFPH)は、2020年初めより感染が世界に拡大した新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)を受けて同年7月に立ち上がったイニシアティブ。公衆健康当局による新型コロナや今後の感染症の対策を支援することを目的とする。設立メンバーとして、米Cisco Systems、米IBM、米VMware、中国Tencentなどが名を連ねる。執行ディレクターは、Apache Web Serverの開発で知られるBrian Behlendorf氏が務める。

 感染者と接触していたことを通知するCOVID Green、COVID Shieldなどのオープンソースプロジェクトを展開している。カナダ政府はCOVID Shieledを採用して公式感染追跡アプリ「COVID Alert」を作成している。

 Global COVID Certificate Network(GCCN)は新型コロナのワクチン接種が進み始めたことを受け、接種証明のグローバルネットワークを目指すイニシアティブ。欧州連合(EU)が「EU Digital COVID Certificate」(旧名称は「Digital Green Certificate」)の稼働を始めたものの、世界レベルでは同システムと互換、かつ信頼できるアーキテクチャがないことを受けて立ち上げた。そのため、まずはEUとEU以外の国の間の行き来を円滑にすることを目指す。

 Hyperledgerを用いた証明書の標準策定を目指すGood Health Pass Collaborative(GHPC)の「Interoperability Blueprint」を土台としている。国境をまたぐ証明書の確認のためのグローバルレベルのトラストレジストリのディレクトリを含み、COVID証明システムの構築・管理を促進するツールキットおよびコミュニティのサポートが得られるとしている。

 すでにIBM、Blockchain Labs、Evernymなど、政府や産業向けにワクチン接種証明書やワクチンパスポートを実装しているベンダーの支援を受けており、これらの企業とGCCNの定義・実装を進めるとしている。

Linux Foundation Public Health(LFPH)
https://www.lfph.io