分散バージョン管理システム「Git」開発チームは6月6日、「Git v2.32.0」を公開した。
Git v2.32.0は、3月に公開されたバージョン2.31.0に続く最新版。新たに加わった35人を含め合計で100人の開発者が参加し、617件のコミットがあったという。
リポジトリにあるパックされていないオブジェクトをリパックするgit repackで、全てをリパックせずにコストを削減する”cleverer strategy”が加わった。オリジナルのログメッセージをそのままにしてコンテンツに加わった変更を調整するgit commit –fixup=で、–fixup=(amend|reword):が加わった。メッセージのみ、またはメッセージとコンテンツの両方を調整できる。
git commitでは、–trailer [=]オプションが加わった。カスタムトレーラーのサポートを強化するという。またtrailer..cmd設定変数も加わっている。git pushとプロトコルv2の組み合わせでは、受信側で共通祖先を検出できるようになった。不必要なオブジェクトの転送がなくなることで、効率性をgit fetchと同レベルにできるとしている。このほか、性能面でも並列チェックアウトのためのAPI変更、Fsck APIのクリーンナップなど、強化や変更が加わっている。設定では、GIT_CONFIG_NOSYSTEMに代わってGIT_CONFIG_SYSTEMを導入した。システム全体の設定を読み込むファイルをユーザーが特定できる。
Git v2.32.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
git
https://git-scm.com